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2020.09.28 12:30

社会課題を自分ごと化する ファッションブランド「coxco」が目指す世界

「vol.0」のイメージヴィジュアル


そこで、着なくなった衣類を原料まで分解することでつくられた再生ポリエステル生地“BRING Material”に注目。いわば「捨てられるはずだった存在」からよみがえった生地を使用し、パーカーとワンピースを制作した。
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vol.0 ヴィジュアル

そして、「廃棄残布問題」をテーマに新たな取り組みとして始まったのがVol.1「AWAKE」だ。老舗繊維商社ヤギと連携し、2020年9月4日からMakuakeでコレクションを先行発売している。


vol.1「AWAKE」ヴィジュアル

作られた服は年間で約30億着が廃棄されていると先に述べたが、世界における生地の廃棄は年間で約500万トンといわれており、同じく問題視されている。
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「トレンドが終わり売れ残ってしまった」、「サンプルで世には出せない」「ひとつのブランドでしか使えない契約」など、様々な理由で膨大な量の生地たちが数年も倉庫に眠っていたり、保管場所がなく廃棄されている。

今回の取り組みでは、服にならず日の目を見ることのなかった「サンプル生地」を用いて、ワンピースとプルオーバーを制作。

数十メートルしか残っておらず、数着しか作れないサンプル生地で制作したため、すべて数量限定だ。色も触り心地も生地によって一つ一つ異なるため、同じ型(パターン)でもシルエットが変わるところが特徴だ。


倉庫でサンプル生地を選んでいる様子

しかし、眠ってしまっていた生地が服として生まれ変わっても、トレンドとして消費されすぐに捨てられてしまったら意味がない。

いつまでも⻑く着ていただけるように、その人自身のこだわりや着こなしを反映しやすい、スタンダードになる服を目指している。

そして愛着を持ってもらうためには、「おしゃれ」で「ときめく」気持ちは欠かせないので、同じようにファッション性も大切にしている。

当たり前の行動で世界を変えていく


私は、「DEAR ME」というNPO法人の代表も務めており、大学時代から日本とフィリピンを行き来しファッションを通した社会貢献活動を行ってきた。

大学在学中に海外を旅した経験から貧困問題などの社会課題を感じ、自分の好きなファッションを通して何か取り組めないかと考え、20歳でDEAR MEを設立。フィリピンでファッションショーを開催しながら、ファッションスクールの設立を目指している。


フィリピンでのファッションショーの様子
次ページ > 「服を着る」という当たり前の行動がいつか世界を変える

文=西側愛弓

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