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ちなみに、最近でも物流DXの例としてあげられるロボット工学企業のキバ・システムズ(Kiva Systems)の倉庫ロボットを、ザッポスは10年以上前から導入していました(アマゾンが買収した後、ザッポスの物流センターも統合。その数年後、アマゾンはキバ・システムズも買収しました)。

そもそも、最近まで20年間ザッポスのCEOを務めていたトニー・シェイは、ハーバード大学でコンピューター・サイエンスを学び、自ら起業したインターネットベンチャー企業をマイクロソフトにも売却した、デジタルの才能溢れるリーダーです。

そういうリーダーが、ハピネスを企業の目的に掲げ、カルチャーを重視し、顧客価値を追求した「ワオ! なサービス」に注力するのは、興味深く、またその実現には、ITが深く使われています。

しかもザッポスは、デジタル一辺倒でなく、顧客への人間的な対応というリアルと組み合わせ、従来のモデルをトランスフォームしている、その好例とも言えるでしょう。

熱狂的なファンをつくるクリスプのミッション


ザッポスは米国の企業ですが、日本にも、熱狂する自社のファンをつくるためにDXを推進している企業があります。

カスタムサラダ専門店のクリスプサラダワークス(CRISP SALAD WORKS)を東京中心に展開するクリスプは、自社でエンジニアを採用してシステム開発を行い、売上の70%近くが、モバイルオーダーアプリやセルフレジといったデジタル経由で得られています。

創業から「熱狂的なファンをつくる」というミッションを掲げ、「お客さまのことを知ることこそが顧客体験の向上につながる」という考えから、デジタルシフトを積極的に進めてきました。

当時、日本の飲食店では誰もやっていなかったモバイルオーダーを2017年に自社開発して導入したのも、自社オリジナルのセルフレジとモバイルオーダーを組み合わせた完全キャッシュレスのレジレス店舗を展開しているのも、全ては「熱狂的なファンをつくる」というミッションを実現するための入口として、お客さまをオンライン化することが目的でした。

現在ではクリスプサラダワークスのキャッシュレス比率は85%を超え、6万人以上のアプリユーザー、50万件以上の購買データの蓄積を活用して、今後一層お客さまとの全てのタッチポイントを強化し、より多くの熱狂的なファンをつくりたいと考えているそうです。

文=本荘修二 

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