ウィズコロナの時計界動向 オンオフ問わず楽しめる名作誕生か?


BREGUET Marine Chronographe 5527




Journalists’ Voices

菅原 茂


創業者アブラアン-ルイ・ブレゲが1815年にフランス海軍のマリンクロノメーター製作者に任命された歴史背景から創作された「マリーン」。最近のリニューアルによって生まれ変わった新世代モデルは、デザインコードのローマ数字やブレゲ針、ケース側面のコインエッジなどを取り入れながらも、すべてに新たなスタイリングを施し、モダンでスポーティな個性を前面に打ち出す。ブレゲ伝統のギヨシェ彫りダイヤルに波模様が新たに用いられた。モデルも充実し、ラグジュアリースポーツの分野で一段と存在感が増した。

本間恵子


ブレゲはクラシカルなコレクションを強みにしながらも、こうしたスポーティなルックの時計も得意。クロノグラフ針にあしらわれているのは、船舶の交信に使われる海洋信号旗から取られた“B”のモチーフ。ブルーの文字盤に彫られた波模様のギヨシェも個性があって好ましい。ホワイトゴールド製のこのモデルは、手に取るとどっしりとした重みが肌に伝わってくるが、この感触がむしろ心地よく、満足感を誘う。防水性は10気圧。その名の通り、ラグジュアリーな海のリゾートに着けていきたい時計になっている。

ムーブメント|
自動巻き Cal.582QA
ケース素材|18Kホワイトゴールド
ケース径|42.3mm
価格|¥6100000
問い合わせ|ブレゲ ブティック銀座(03-6254-7211)

JAEGER - LECOULTRE Master Control Memovox Timer




Journalists’ Voices

篠田哲生


自分の結婚祝いに購入したほど“ジャガー・ルクルト愛”が強いのですが、メモボックスはまずはリーンという澄んだ音が好きですね。さらには操作性の良さも好み。リューズが2つあって、片方が時刻用、もう片方がアラーム用とでわかれているので、操作にミスがないのは嬉しい。アラームの設定方法が進化しましたが、個人的にはメリハリの利いたデザインが気になります。ジャガー・ルクルトはどちらかといえば真面目なデザインが多いのですが、このモデルは色使いも含めて華やかさがあるので、腕元で映えそうです。

並木浩一


刮目して見よ、と思わず声が高くなる、メモボックスを超えたメモボックス。アラーム機構は、ハンマーが裏蓋ではなくペリフェラルゴングを叩く。その成果としてシースルーバックが可能になり、しかも高速の打鐘を目で見て楽しめる。さらに、新装備されたタイマーの存在が秀逸で、文字盤内径のサークルの赤い針をセットし、任意の経過時間後に鳴らすことができる。アポイントメント・タイムまでの残り時間をいつでも視認でき、時差を超えた移動中にはローカルタイムに依存せずにアラームを機能させられるのである。

ムーブメント|
自動巻き Cal.956
ケース素材|ステンレススチール
ケース径|40mm
価格|¥1680000
問い合わせ|ジャガー・ルクルト(0120-79-1833)


本間恵子◎時計とジュエリー専門のジャーナリスト。ジュエリーデザイナーだったが宝飾専門誌エディターに転身し、現在はフリーランサーとして経済紙や美術誌などに寄稿。バーゼルやジュネーブなど国際時計見本市の常連。ヴィチェンツァ・オロ、アンティーク・ビエンナーレも取材するなど、時計、ジュエリーブランドに精通している。

篠田哲生
◎1975年千葉県出身。講談社「ホット ドッグ プレス」を経て独立。時計専門誌やライフスタイル誌、ビジネス誌、ウェブサイトなど幅広い媒体で時計記事を担当し、イベントや講演も行う。著書に『成功者はなぜウブロの時計に惹かれるのか。』(幻冬舎)。Forbes JAPANではライフタイル&インテリア記事も担当。
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edit by Ryoji Fukutome

この記事は 「Forbes JAPAN Forbes JAPAN 8月・9月合併号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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