人事評価導入のメリット・デメリット
適切な人事評価を行えば企業にとって大きなメリットとなるが、逆にデメリットもある。
メリット
・企業と従業員間での信頼関係が強まる
・従業員のモチベーション向上につながる
・人材開発のための指標が明確になる
明確な評価基準のもと、正当に評価されていると従業員が感じることで企業との信頼関係が強まり、「頑張れば評価される」と従業員のモチベーションが向上することで、最終的に企業の業績向上が期待できる。
また、人事目線で見れば、人材採用や人材育成のための指標が明確になり、より効率的に企業の成長に貢献ができる。
デメリット
・運用に失敗すると従業員のモチベーション低下に繋がる
・不適切な処遇による訴訟のリスクがある
人事評価が不適切であったり、あいまいな評価をしたりしてしまうと、従業員の不信感や不満が高まりモチベーションの低下につながりかねない。こうなると、従業員の生産性の低下を招く恐れがある。
また、最悪の場合、従業員が訴訟を起こすリスクもあるので明確な評価基準に基づいた人事評価を行う必要がある。
人事評価における注意点
人事評価を行う者として、以下の点に注意する必要がある。
人事評価エラー
人事評価エラーとは、評価者が心理的影響に左右されて誤った評価をしてしまうことを指す。このエラーにはいくつか種類があるが主に以下の6つが有名である。
評価者の適性
そもそも評価者に適性があるのかを見抜くことも重要だ。適性が無ければ先ほどの評価エラーを招く可能性が高くなるため、評価者は「人事評価基準を正しく理解しているか」「公平かつ客観的に評価できるか」などを見極める必要がある。
フィードバック
評価のみで終わるのではなく、評価者から従業員へのフィードバックを行うことが重要である。
フィードバックを行わなければ、従業員は自身の「何を評価されているのか」「何が足りていないのか」などが分からず、今後の明確な目標を立てることが難しくなる。
忙しくなればなるほど疎かにされがちだが、フィードバックまでを人事評価と設定し積極的に取り組むようにしよう。
人事評価に対する従業員の本音
人事評価に対する従業員の声にも耳を傾ける必要がある。以下はリクルートマネジメントソリューションズが行った「人事評価制度に対する意識調査」の結果だが、実際は人事評価に不満がある従業員も多い。
不満の理由としては、評価基準が曖昧であることや公平性を感じないことが挙げられる。こうなると「頑張っても報われない」と従業員のモチベーションが下がり、生産性の低下や離職などを招く恐れがある。
それを避けるためにも、人事評価に対する社内アンケートを定期的に行い、従業員の不満を解消できるよう改善に努めよう。
出典:https://achievement-hrs.co.jp/ritori/?p=3628