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2. 制度をつくる3つの要素
人事評価制度は大きく、「評価制度」「等級制度」「報酬制度」の3要素で構成される。これらを組み合わせることで従業員を評価し、職階や待遇などを決定する。
評価制度評価制度とはその名の通り、従業員の業務内容や成果を評価するための制度。
評価項目や基準、対象期間を定めて実施する。どちらも企業によって特色があるので一概にはいえないが、例えば評価項目は「定量評価」と「定性評価」を組み合わせることが多い。
定量評価というのは例えば個人の売上目標など、数字で測れる目標の到達度を見る。
定性評価は勤務態度や周囲の仲間に与える影響など、数字では測れない要素を指標化する。定性評価は必ずしも上司だけでなく、部下や同僚といった、評価者の周囲にいる者からの広い評価を参考にすることも増えてきている。
評価の対象期間については、一つの目安になるのが1年だ。それをもとにして半期、四半期での中間到達度を評価することで、よりきめ細かいフィードバックができる。なお、年間における評価の回数(年2回・4回など)と、昇給・昇進の回数が一致していないケースも一般的だ。
等級制度
等級制度とは、従業員の能力や業績に基づいて等級を決定し、等級に応じた役割や権限、職務を示すための制度。
例えば、チームリーダー・部長・執行役員といった等級を分け、従業員を動かす権限やマネジメントする範囲を明確にすることが狙いだ。職階があることにより、意欲ある従業員にとっては次に目指すべき姿が明確になり、努力の方向づけやモチベーション向上にも役立つ。
また、従業員規模や事業部の数などに合わせて、職階を増減させるのも一般的だ。例えば大企業であれば、いわゆる役職者でなくとも「グレード」と呼ばれるような実績に応じたランク分けがされることが多い。
報酬制度
報酬制度とは、従業員の等級や評価に基づいて給料や賞与を決定するための制度。従業員一人ひとりに対して、適正な報酬を決定することができる。