I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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きっと読者の皆さんの中には、自分から電話をかける機会が減っただけでなく、かかってきた電話に出るのも面倒になっている人が多いのではないだろうか。私もその一人だ。理由のひとつとして、電話の「同時性」がある。鳴った電話にはすぐに出る必要がある。留守番電話(これも同じく利用頻度が落ちている)にメッセージを残してもらったり、後で折り返したりすることもできるが、会社の電話ではそれも難しい場合が多い。

電話による通話が煩わしいもうひとつの理由は、不確実性だ。アナログ技術を使う電話は、電話帳に発信者が登録されていなければ番号しか表示されない。そんな状態で電話に出るか出ないかの決断を迫られ、出てみるとただの営業電話だったりする。

しかしこの状況を一変させる可能性があるのが、グーグルの「電話」アプリだ。現時点では同社のスマートフォン「ピクセル」と「アンドロイド・ワン」のみにプリインストールされているが、一部機能は既にアンドロイドOSのバージョン9.0以降がインストールされたLG、ワンプラス、サムスンなどの他社製スマートフォンでもダウンロードして既定の通話アプリとして設定できる。先進的な機能として、発信者の情報(グーグル側で確認してくれる)やロゴ、さらには通話の理由を記した短いメッセージを表示できるものがある。

こうした機能の一部はハードウエアに依存するため、アプリがプリインストールされた端末のみで可能だが、その他の機能は米国、ブラジル、インド、メキシコ、スペインで今月から、対応スマートフォンにアプリをダウンロードすることで利用できるようになった。

確認作業は発信時にグーグル側のサーバーで自動的に実行され、企業による悪用を防止する機能もある。サーバーには電話番号、発信先、通話目的の情報が送信されるが、数分後にはサーバーから削除されるという。グーグルはこの機能により、受信者が仕事の手を止めて電話に出るべきかどうか判断できるようになると説明している。

知らない番号からの着信であっても、ホームセキュリティーの警報メッセージや、クレジットカードが利用限度額に達したという通知、旅行予約変更のお知らせなど、出た方がよい場合も多い。このサービスが標準化されて広まれば、受信者にとってとても便利である上に、企業もこれを適切に使用することで応答率の改善が期待できる。

編集=遠藤宗生

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