故ギンズバーグ判事の後任に浮上した女性判事の異色の経歴

連邦控訴裁判所判事のジョーン・ラーセン(Photo by Susan Walsh-Pool/Getty Images)

アメリカの連邦最高裁判所の判事が死去したことを受けて、トランプ大統領は後任選びを進めているが、候補者リストにはミシガン州出身の連邦控訴裁判所判事で、保守派からの信頼が厚いジョーン・ラーセンが含まれている。

ホワイトハウス関係者によるとトランプは7月21日、候補者の最終リストに「ミシガン州出身の偉大な人物が含まれている」と述べており、22日のミシガンのテレビ局のインタビューでも、ラーセンについて「非常に才能ある人物だ」と語っていた。

ラーセンは法曹界を保守派で占拠することを目標に掲げる「フェデラリスト・ソサエティ(Federalist Society)」の長年のメンバーとして知られ、司法において保守派が中心的な役割を果たすべきと考えている。

米国の保守派は、ラーセンがかつて妊娠中絶規制を推進した故最高裁判事のアントニン・スカリアと同様な役割を果たすことを期待しているが、リベラル派は、彼女が中絶権や同性婚を合法化した判決を覆すことを恐れている。

ラーセンは、中絶やロー対ウェイド判決(1973年に米国の最高裁が女性の人工妊娠中絶の権利を認めた判決)について公には語っていないが、複数の生命保護団体の支持を得ている。

現在52歳のラーセンは、2015年から2017年までミシガン州の最高裁判事を務めた後、トランプよって連邦控訴裁判所の判事に任命されていた。報道によると、彼女は2018年に退任したアンソニー・ケネディ判事の後任として、トランプが面接を行った6人の候補者のうちの1人だったが、最終的にはブレット・カバノフが選ばれていた。

ラーソンが初めて政治と関わりを持ったのは大学生の頃に遡るが、驚くべきことに、それは1988年にジョー・バイデンが大統領選出馬を目指した際の、封筒に詰め物をするアルバイトだったという。

トランプは先日、連邦最高裁判所の判事候補者は女性になると述べた。他の指名候補には、エイミー・コニー・バレット判事とバーバラ・ラゴア判事が含まれている。上院共和党トップのミッチ・マコネル院内総務は、大統領が故ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の後任候補を指名した場合、上院で採決を行うと述べた。

編集=上田裕資

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