黒人が経営する小規模ビジネスの31%はいまだに、売上がパンデミック前の25%にも達していない、とゴールドマン・サックスは指摘している。米連邦議会が対策を講じて、そうしたビジネスに対して資金を投入しない限り、黒人とラテンアメリカ系が経営するビジネスはひと世代分、まるまる失われかねない。
背景
ビジネスニュースサイト「カルチャーバンクス(CultureBanx)」によると、新型コロナウイルスの影響で経済が低迷するなか、黒人経営ビジネスが閉業に追い込まれる事態は日に日に深刻化している。
実際、パンデミックを受けて中小企業向け給与保護プログラム(PPP)が導入されたが、黒人事業主はPPPで受けた融資をほとんど使い切ってしまった状況であることを、ゴールドマン・サックスの調査は浮き彫りにしている。「米連邦議会が9月中に何らかの対策を講じなければ、黒人が経営する小規模ビジネスの43%(全体では30%)が、年末には手元の事業資金が底をつくと回答した」という。
小規模ビジネスが閉業に追い込まれる事態は、ほぼすべての業界に広がっており、法人組織でさえも免れることはできない。特に打撃を受けているのがアフリカ系米国人経営のビジネスであり、黒人が経営するビジネスは41%減少した。また、ラテンアメリカ系事業主の数は32%、アジア系事業主の数は26%減っている。
さらに、黒人経営ビジネスのなかでPPPの融資を受けた割合は2%にすぎない。PPPは、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES Act)の一環として導入され、7月初旬までに承認された融資は490万件、総額は5210億ドル以上にのぼっている。