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米国成人の読解力(リテラシー)不足は、年間2兆2000億ドル(約230兆円)の経済損失につながっている可能性があるとした調査結果が、調査会社ギャラップにより発表された。

米教育省によると、16~74歳の米成人1億3000万人のうち、読解力が小学校6年生以下のレベルにある人は54%とされる。これは、複数の意味で衝撃的な数字だ。読解力は、個人の収入や雇用水準、健康状態、全体的な経済成長などと相関関係にあり、経済面での影響は計り知れない。

ギャラップがバーバラ・ブッシュ・ファミリー・リテラシー財団から委託を受けて実施したこの調査は、国際成人力調査(PIAAC)の結果に基づいている。PIAACでは成人の読解力を幾つかの段階に分けて評価している。

レベル3未満は読解力が不足しているとされる。レベル1以下の人は簡単なフォームに記入する以上の文章を理解できず、文章に書かれた内容を推測するのも困難だ。レベル2は、製品のレビューを理解したり、比較や単純な推定を必要とするタスクをこなしたりするのに十分な読解力を有するが、書かれた内容の信憑性を正確に判断したり、高度な推定をしたりするのが難しい。レベル3以上は読解力に問題なしとされ、情報源の信憑性を評価したり、文章から複雑な意味や考えを推定したりできる。

必要最低限であるレベル3の読解力を有する米成人の平均年収は約6万3000ドル(約660万円)で、レベル2の4万8000ドル(約500万円)を大きく上回る。さらに下のレベル0と1の平均年収は3万4000ドル(約360万円)だ。

読解力レベルは年齢、性別、都市部に住んでいるか否か、人種、民族、親の学歴などによっても変わってくるため、これら要素を加味して計算し直したところ、各レベル間の平均収入の差は縮んだものの、それでもなお大きな開きがあり、レベル1未満とレベル3との差は2万3979ドル(約250万円)、レベル2と3の差は1万3193ドル(約140万円)だった。

仮に米国の全成人の読解力がレベル3以上になった場合、国全体の収入総計は2兆2000億ドル増加する見込みで、これは国内総生産(GDP)の10%に相当する。

編集=遠藤宗生

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