ハッピーリターンズの経営陣は、オンライン小売分野で幅広い経験をもっている。CEOで共同創業者のデビッド・ソビーは、ジャストファブ(JustFab)とリボルブ(Revolve)の最高マーケティング責任者を歴任したのち、ホートルックのマーケティング・事業開発担当シニアバイスプレジデントを務めた。
最高執行責任者(COO)で共同創業者のマーク・ゲラーは、ノードストローム・ラック・ドットコム(Nordstromrack.com)とホートルックでモバイル部門を率いていた。
最高財務責任者(CFO)のアンドリュー・ピーズ(Andrew Pease)は、シグナ(Cigna)に買収されたブライター(Brighter)およびテレスコープ(Telescope)でCFOを務めていた。その前は、ディズニー・インタラクティブ(Disney Interactive)の財務・プランニング担当バイスプレジデントを務めていた。
ハッピーリターンズの本社はカリフォルニア州ロサンゼルスにある。おもな出資者には、ペイパル(PayPal)、USベンチャー・パートナーズ(U.S. Venture Partners)、アップフロント・ベンチャーズ(Upfront Ventures)などが名を連ねている。
こうしたサービスにより、消費者は近場の拠点で簡単に返品できるようになる一方で、拠点となった店舗からすれば、店に立ち寄る人が増えることで、売上増加につながる可能性がある。これは優れたアイデアと言えるだろう。
実際、ノードストロームは、ロサンゼルスとニューヨークの5か所で「ノードストローム・ローカル(Nordstrom Local)」と呼ばれる拠点をオープンし、顧客の返品を手助けしている。
こうした試みは、実際の店舗で事業を行う企業が新たなパートナーシップを結ぶ一例だ。買い物客に対して便利さを提供し、客が店舗に足を運ぶ理由をつくれば、うまくすると売上が増えるかもしれない。一方、買い物客にとっては、品物を選ぶときにはインターネットのほうが楽だが、返品する際には近所の拠点で手続きするほうが簡単だ。ハッピーリターンズのスローガンである「心配いりません、ハッピーに返品しましょう(Don’t worry, return happy)」は、たしかに的を射ている。