コロナ禍で面会制限も。入院中の子どもに付き添う大人の「困りごと」

FS Productions/Getty Images


かつての私もそうだったように、そもそも多くの母親たちは、自分の子供が病気や障害になった場合、「自分のせいだ」と感じてしまい、困りごとがあったとしても、「それを解決したり我慢したりするのは自分の役割だ」と抱え込んで、人知れず奔走する傾向がある。

しかし、その「母親なのだから」という頑張りが、支援の手を届きづらくしている現実もあるように感じる。

まだまだ病児や病人に付き添う家族にまつわる困りごとは、周知されてはいないし、抜本的な改善の兆しが見えるとは言い難い。

同じ思いを持った支援者や応援者の数を増やし、手を取り合う必要性があると今回の取材で改めて感じた。

私が運営している病気や障害のある子どもや家族のためのECマーケットプレイス「チャーミングケアモール」でも、チャリティサービスの「wish+ウィッシュプラス」として、新しいカタチのお見舞いギフトの取り扱いを開始した。

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応援者や支援者がお見舞いギフト券を購入し、その金額とポイントを交換。月毎に、家族が過ごすためのファミリーハウスなどにチャリティし、そのポイントを使用し滞在家族がモール内で好きなものを選べる仕組みだ。

また、10月にはマルイで、「手に取れる とびきりの子どものお見舞い品」の展示・販売を行う。丸井グループが掲げる「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブで豊かな社会」をめざす、誰も置き去りにしない「インクルージョン(包摂)」という考え方に賛同し、小児を扱う病院が複数存在する神戸エリアを第一歩として、リアル店舗を期間限定で出店する。

闘病中の子どもに思うように寄り添うことが許されないご家族を応援したい方へのギフトや、日常生活でこんなものがあったらいいなという選りすぐりのアイテムに触れることができる貴重な機会となる。

生活にはいろどりが必要だ。コミュニケーションのなかで、物や出来事を共有し共感し合うことで、人として社会の一員であることを実感するのだ。

ひとまず緊急事態宣言は解除され、不安はあるものの、人々の生活は平常を少しずつ取り戻そうとしている。

そんななか、いまだに「会いたいのに会えない」状況があるということ。抜本的な解決案はないにしても、ほんの少し気持ちに寄り添うだけで、いま大変な人の心の余裕につながるとも考えている。

連載:チャーミングケアで広げる家族の視点
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文=石嶋瑞穂

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