パンデミック後の中国債券市場に流入した外貨の増加量は、年初来の月額に直せばおよそ110億ドルだ。この額は、年頭の流出を受けて低水準となっているが、それでもなお、月間での流入見込み額である83億ドルを超えている。
それは、中国国債が「ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックス」に組み入れられたからだ(2019年4月から2020年11月まで段階的に採用され、その後組み入れが完了する)。これにより、そのインデックスをベンチマークにしているグローバル債券ファンドはすべて、中国国債に投資されることになる。推定では、中国国債は現在、外国の投資家から月におよそ60億ドルを獲得している。
中国国債はさらに、「JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス─エマージング・マーケッツ・グローバル・ディバーシファイド」にも組み入れられている。このインデックスをトラックするファンドが、中国政府の財源にさらに23億ドルの外国資本を流入させることにつながっている。
中国国内を見ると、ノースバウンド(香港証券取引所から上海ならびに深セン証券取引所に向かう北行き)ストック・コネクトの資金フローは、ここのところ弱い。香港から中国本土への8月の資金流入は63億ドルで、パンデミック前の月間平均124億ドルにはまだ届いていない。
サウスバウンド(上海・深セン証券取引所から香港に向かう南向き)ストック・コネクトの流れを見ると、7月に175億ドルと大量流出があったが、8月は93億ドルで標準に戻った。サウスバンドの資金フローとは、香港証券取引所に上場されている株式を、上海ならびに深セン証券取引所が購入することだ。
それでも、野村ホールディングスのチャンは、株式市場への資金流入は債券市場と同様だと語る。「市場がバイデン勝利のシナリオにもとづいて値をつけ続ければ、株式市場への資金流入は支持されるだろう。そのシナリオが現実になれば、その傾向はますます強くなる」