Series 6とSEどちらを買うべきか? 最新Apple Watchハンズオン

2020年最新のApple Watchは2つのモデルが発売された。右が「Apple Watch Series 6」、左が「Apple Watch SE」


アップルがウェアラブルデバイスのため独自に開発するSiP(System in Package:システム化されたICチップ)について、Series 6は最新世代の「S6チップ」を内蔵する。S5チップを搭載するSeries 5に比べると、アプリや音声アシスタントSiriの起動が速くなり、アプリ全般の動作がもたつかなくなった。


最新「S6チップ」によりアプリやSiriの起動が速くなった

S6チップはバッテリーの充電・駆動効率も向上している。充電残量0%から100%まで充電するためにかかる時間は、Series 5よりも約1時間短縮されて1.5時間とした。新しいwatchOS 7に追加された睡眠トラッキングを活用するために、ユーザーは日中から眠る間まで1日の中でApple Watchを身に着けて過ごす時間が長くなる。合間の充電に必要な時間が短縮されれば大きなメリットになる。

Series 6には常時表示に対応するRetinaディスプレイが搭載されている。常時表示ディスプレイは2019年のSeries 5から初めて搭載された機能だが、手首を下げたときや、文字盤を手で覆うジェスチャをした時には画面が暗くなる。そのため常時表示ながらも時刻等の情報が若干見づらかった。

Series 6では手首を下げている間の画面表示が明るくなって、日中の明るい屋外環境でも視認性が高まった。内蔵バッテリーによるトータルの連続駆動は最大18時間と従来のレベルをキープしている。


画面の明るさと文字盤を揃えて比較。左がSeries 5、右がSeries 6。Series 6の方が明らかに画面が明るく、文字盤の分針もクッキリと見える

Series 6の新機能「血中酸素ウェルネスアプリ」


Series 6には新機能の「血中酸素ウェルネスアプリ」が搭載された。名称は専門的に聞こえるかもしれないが、簡単に言うと血中に取り込まれている酸素のレベルを測定して、一般的なウェルネスとフィットネスの用途に役立てられるものだ。Apple Watchを使って血中酸素が手軽に計測できると、例えば日常のワークアウトや登山にスキー・スノーボードなど標高の高い場所で楽しむスポーツシーンで、自身の持久力や環境適応度を調べるのにも役立つだろう。


15秒間の計測で血中に取り込まれている酸素のレベルが測定できる「血中酸素ウェルネスアプリ」

Series 6は本体背面に血中酸素ウェルネスを測定するためのセンサーを新設する。SEにはこれがない。アプリ化されている機能を立ち上げて、メニューに従って約15秒間の血中酸素ウェルネス測定を行うとウォッチの画面に酸素のレベルがパーセンテージで表示される。

ユーザーがオンデマンドで行った計測、およびバックグラウンドで自動計測されたデータはiPhoneのヘルスケアアプリにデータが蓄積されるので、こちらから日・週・月・年単位で経過を振り返ることもできる。データの“読み方”についてはヘルスケアアプリに詳しい説明もある。


iOSのヘルスケアアプリで計測の結果を振り返ることもできる
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文・写真=山本 敦

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