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旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」


洋服ブランドだけでなく、靴・鞄、ジュエリーに特化したブランドも掲載。9月中旬現在、掲載されている196のアイテムの価格帯は50ドル(約5300円)代から1900ドル(約20万円)代までと幅広い。

その内、150ドル〜250ドル(約16000円〜26500円)までの商品が、63点、250ドル〜500ドル(約26500円〜53000円)までの商品が64点と、この2つの価格帯が全体の65%を占める。150ドル以下(〜16000円)の商品は、小物やジュエリーが中心だ。

アフリカ発のファッションブランドの普及の課題の一つに、特にイー・コマースにおける配送オペレーションの課題が挙げられるが、IAはDHLエクスプレスとの連携で、世界各国のオーダーに対応する。

商品は、一部欧米に拠点を持つデザイナーを除き、基本はアフリカ各国のデザイナーから直接発送され、注文から2-3営業日内に到着するとのことだ。

アフリカ大陸内と欧州は35ドル(約3700円)、北米とアジアは40ドル(約4200円)、その他地域は50ドル(約5300円)と、地域ごとの一律価格で対応する。到着から7日以内の対応で返品も可能だ。

一方、南アフリカを拠点に、例年ファッションウィークを展開する、アフリカン・ファッション・インターナショナル(African Fashion International、AFI)も、今年3月に独自のイー・コマース・サイト、AFIブティックをローンチ。メインターゲットは南アフリカの国内市場だが、海外配送にも対応している。

当然、各ブランドも独自にイー・コマース対応を進める。南アフリカのトップデザイナーの一人、リッチ・ムニシ(Rich Mnisi)がヴォーグ・ビジネスに寄せたコメントによると、パンデミックでリテール・ショップがクローズする中、これまでこうした実店舗に頼っていたデザイナーも、ウェブサイトを拡充し、グローバルな顧客に直接対応し始めたという。

LVMHグループが世界中の若手デザイナーの育成・支援を目的に13年に設立した「LVMHプライズ」で、昨年優勝し、いま世界のファッション界が最も注目する南アフリカのデザイナー、テベ・マググも、今月、ウェブサイトをリニューアルし、ブランドの世界観を十分に反映させた独自開発のEコマース・サイトを構築。

自国、南アフリカで生産するテベ・マググ商品を、欧米・アジアの世界各国へ配送するインフラが整ったことで、ブランド認知だけでなく市場もますますグローバル化していくに違いない。

ステイ・ホームを余儀なくされ、ようやくオンラインでの買い物という選択肢を取り入れるようになった人々も多い中、各ブランドによるイー・コマース対応は、今まで以上に重要になる。

パンデミックからパン・アフリカニズムへ


外出制限によって、買い物だけでなく、イベントやコミュニケーションもオンラインへと移行することで、クリエイティブ業界関係者の結束が強まっている。

アフリカ系や黒人クリエイターたちは、お互いに協力・連携することで、近年、グローバル市場におけるその存在感を強化してきたが、パンデミックの危機、そしてブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter、BLM)の動きも相まって、結束力の重要性がより高まっているようだ。

文=MAKI NAKATA

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