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2020.09.29

「フィンテックで17億人を貧困から救う」──GMSが考えるスタートアップに最高のスタートをもたらすもの

グローバルモビリティサービス代表取締役社長執行役員/CEOの中島徳至

クルマがあれば仕事に就ける。しかしクルマを買う資金がない。そんな人たちのために独自のハードウェアとシステムを使い、今まで存在しなかったローンやリースの機会を生み出したのが「GMS」だ。

「真面目に働く人が正しく評価される仕組み」を生み出したGMSは非上場ながら、東証1部2部上場企業15社以上から出資を受けている注目のスタートアップ企業だ。そのCEOである中島徳至に、スタートアップが最高のスタートを切るために必要なことを聞いた。


車を買いたくても買えない人たちのために


中島は、20代で最初の起業を経験。2社目はフィリピンで電気自動車会社を設立した。大気汚染などに悩む新興国に電気自動車を普及させることで、低炭素社会を実現しようとしていた。そのとき、大きな問題に直面する。

電気自動車を購入したいという声はあるものの、現金で購入できる人がほとんどいなかったのだ。購入希望者のほとんどが低賃金のドライバーなどに従事する、貧困層の人たち。ローンやリースで購入したくても、銀行などの金融機関への与信審査が通らないため新車の購入は諦め、1日単位で中古自動車をレンタルし、仕事をしている人が多かったのだ。

「当時は電気自動車の普及を通じて、低炭素社会を実現したいと強く思って活動をしていました。でも電気自動車を作ったところで、利用したい人が購入できなければ、結局そのような社会の実現は難しいと感じたのです」

理想を具現化するためには、クルマを作る以上に、クルマを購入できる環境を作ることが重要ではないか──。そのような考えから、2013年11月、GMS設立に至った。

「フィリピンだけではなく、その他の新興国でも与信審査を通過できずに新車購入ができず、収入が上向かない人たちがたくさんいることがわかりました。そこで、現在のサービスを行うGMSを設立しました」

誰一人金融から取り残さない世界を目指して


現在、クルマを利用して所得を得ようと思いながらも、購入できずにいる人が世界で17億人いると言われている。一方、世界での年間自動車販売数は約1億台。多くの人が、クルマを買いたくても買うことができないのが現状だ。

与信情報がほとんどないため銀行がなかなか貸し付けない低所得層に対して、GMSは車両の遠隔起動制御のためのIoTデバイス「MCCS」と、それから取得した情報をリアルタイムで監視・分析するプラットフォーム「MSPF」を開発した。車両の走行状況を管理することで、ドライバーが稼働している時間、月収、顧客評価などをスコア化し、それらを与信情報として連携した金融機関に提供し、更なる金融の機会を創出している。

「過去にも金融機関は低所得者層にも手を差し伸べたことはあるのですが、デフォルト率(返済が滞る率)が高く、貸すことができなくなったのだと思います。しかし我々は、デジタルの力を使い誰一人金融から取り残さないファイナンシャルインクルージョン(金融包接型)の世界を創出したいと思って活動しています」

現在は日本、フィリピン、カンボジア、インドネシアでサービスを提供。GMSのサービスで車を手に入れた人による運転は、総走行距離1億7000万km、地球を4300周以上するまでになっている。デフォルト率も1%未満となっており、いかにGMSを利用している人たちが勤勉なのかを物語っている。

現在はコロナ禍で自粛中だが、GMSでは年に4回ほど、ローン完済者とその家族を招いて、ローン完済の「修了式」を開催している。毎回1000人以上が参加するという。

「パーティに参加していたある家族の息子さんに、“父がローンを完済したことで学資ローンの審査が下りて大学に行けるようになりました、ありがとうございました”と言っていただきました。このビジネスをやっていてよかったなと思いましたね」

GMSが目指すのは、モビリティサービスの提供を通じ、多くの人を幸せにすること。そのために必要なものがファイナンス。GMSは、テクノロジーを駆使して人とものと金融をつなぐサービスを提供している企業なのだ。

創業当時を笑顔で振り返る中島

創業当時を笑顔で振り返る中島


スタートアップの成功のカギは「外部専門家の中立的な意見」


GMSを含め3社の起業経験がある中島によると、スタートアップを成功に導くために必要なものは「俯瞰的な視点」だという。

「金融関係では“鵜の目鷹の目”ということを言いますが、自分たちの利益だけを見るのではなく、顧客目線、社会目線で自分たちのサービスはどうなんだろうというように、視点を変えて分解しながら見ていくと、自分たちのエゴが強い提案をしているかもしれないと気づくことがあると思います。やはり、俯瞰的な視点から考えて顧客や社会にニーズに応えていく仕組みができていれば、自ずと結果は出るのではないでしょうか」

また規模や業種にかかわらず、企業には法務や財務、税務、IT関連など、専門性の高い領域についてはスペシャリストが必要になる。大企業であれば専門の部署や人材が揃っていることが多いが、スタートアップともなると人材確保もままならないことが多い。

「中小企業やスタートアップでは、その領域の専門家やスペシャリストに中立的な立場で知見を借り、アドバイスを提供していただくことが重要だと思います。自社で雇い入れるのは難しいと思いますが、外部の方と連携して補っていくというのは非常に重要なことです」

特に、外部専門家からのアドバイスは役立つことが多いという。同業他社と比較して、自社の弱いところを指摘してくれたり、自社内だけでは得られない外の情報を提供してくれたりするからだ。それにより、問題解決までの時間を短縮することができるようになる。

「外部にお願いしたほうが、結果的に早期解決ができて安定稼働につながることもあります。以前IT企業にいたことがあるのですが、全部自分たちでやりたがるんです。しかしそれは遠回りになります。やはり業務領域によっては専門性のあるプロ集団にお任せしたほうがいいですね」


スタートアップの仕事は「過去を塗り替えること」


中島は、今後のGMSについてこう語る。

「2030年までには、GMSのサービスを通じてファイナンスを1億人の方に提供したいと思っています。あと10年でそれだけのファイナンスを創出することはたやすいことではありませんが、私たちのソリューションと技術力があれば実現できると思っています。また、多くの金融関連の皆様の力をお借りすることで、ムーブメントを作っていけることができると思います」

現在、東南アジアやインド、アフリカなど、金融にアクセスできない人々が多い国からの引き合いが多くなっているという。まだまだ世界には、クルマを必要としていながらも与信情報がないために手に入れられない人たちが多くいる。

「これまでは、その人の頑張りを測るための物差しがなかったんですよ。やる気も支払い能力もあるのに、金融にアクセスできないためにスタートラインに立てない人がまだまだたくさんいます。私たちはそのような人たちにチャンスをつかんでもらうために、背中を押して伴走をしているんです」

金融の世界は、アナログからデジタルへ移行しつつある。デジタルを駆使した金融、つまり「フィンテック」が浸透し、新しい金融サービスが数多く生まれた。しかし、いわゆるフィンテックは、すでに金融サービスを利用している人たちに向けたものがほとんどだった。依然として、金融から取り残された人たちが多数存在する。GMSは、そんな人たちのためのフィンテックを作り上げた。

「頑張る人が貧困から這い上がっていくには、自力で豊かな生活を実現できるようになるための最初の一押しが必要なんです。そのためにはファイナンスが不可欠。これまではサブプライム層への融資というのはなかなか行われなかったのですが、それはもう過去の話。それを塗り替えていくのが我々スタートアップの役割です」


中島徳至◎グローバルモビリティサービス代表取締役社長執行役員/CEO。1967年生まれ。東京理科大学大学院修了。94年ゼロスポーツ設立。その後フィリピンにてビート・フィリピンを設立。2013年同社を創業。


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