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フォーブスジャパン編集部

メイクアップアーティストであり、僧侶でもある西村宏堂

浄土宗の僧侶であり、プロのメイクアップアーティストであり、LGBTQ活動家としての顔も持つ西村宏堂。

10代は自身の性別について悩み、海外留学先で当初は日本人であることにもコンプレックスを感じていた。前編では、そんな彼が、なぜ自分らしく「正々堂々」と生きられるようになったのか、乗り越えてきた道のりを振り返った。

これまでも国内外のメディアで取り上げられ、昨年はネットフリックスの米リアリティ番組「クィア・アイ in japan!」に出演し、自らもインスタグラムやツイッターを活用して「自分らしさ」や「美」について発信している。

後編では、西村の発信力の源ともなっているSNSとの向き合い方や、発信の際に心がけている作法について紹介したい。


「自分を人と比べそうになっちゃうのはしょうがない。でも忘れてはいけないことは、人はそれぞれのリズムで生きているということ。そんなときこそ大事なことは、準備、練習、完璧を求めてこだわること」

これは、西村のインスタグラムに自身のアーティスト写真と共に投稿された言葉の一部だ。インスタグラム(@kodomakeup)には、日本語と英語でこのようなポジティブな言葉が綴られている。

断定的な言い方をせず、価値観を押し付けない


インスタグラムのフォロワーは5.7万人。多くの人に注目される中、SNSで発信する際にどんなことを心がけているのだろうか。ストレートに尋ねてみると、西村はこう答えた。

「私は自分の体験を話して、断定的な言い方や、価値観を押し付けた言い方にならないように気をつけています」

他の投稿を見ても、人に気づきを与え、啓蒙性のある発信を心がけているようだ。例えば、テレビ番組で男性芸人が、美容に熱心だという男性歌手の「顔がかわいい」と言ったときに、別の芸人が「オネエかよ」とツッコミを入れた。これに対して、西村は疑問に思ったという。

インスタグラムの投稿文で「私のような同性愛者が見ていることを配慮して欲しい。私が美を求めること、私が男性に魅力を感じることを否定しないでほしい」と綴り、最後は「人と違うことをあざ笑う声を、多様性の素晴らしさを祝福する声で消し去ろう」と締めくくった。

メイクアップセミナーや講演会をする機会も多い西村は、普段から話す際にも同様なことを気をつけている。例えば「日本人は~だ」「女性or男性は~だ」というように決めつけた話し方はしない。その断定的な表現に当てはまらない人がいるという配慮を忘れてはいけないというのだ。

さらに「カミングアウトをして私はよかったと思うけれど、そうは思えない人もいる。またLGBTQに対して否定的な発言をする人もいるが、人はそれぞれ育ってきた環境や時代が違います。私は自分が正しいと思っていることを発信しますが、人それぞれの価値観を否定することはできません」という。

そんな西村自身「メイクをして、ハイヒールを履くお坊さん」として国内外のメディアに取り上げられているが、全てが好意的な反応という訳ではなく、時に敵意あるコメントや誹謗中傷も含まれている。そんな時、西村はどうしているのだろうか。

文=督あかり 写真=Christian Tartarello スタイリスト=Leonard Arceo

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