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2020.09.22 10:00

水道設備会社が開発した、ディナーに行ける「スーツに見える作業着」

ワークウェアスーツ

ワークウェアスーツ

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は8・9月号(7月22日発売)より、「ワークウェアスーツ」のスーツをピックアップ。


森岡弘(以下、森岡):今月取り上げるのは、ワークウェアスーツ(以下WWS)というブランドです。実はこのスーツ、ファッションとは無縁の水道設備会社が開発しました。

小暮昌弘(以下、小暮):知っています。去年、ネットで話題になっていましたよ。久米宏さんのラジオ番組に開発を担当された女性の方が出演され、創立10周年記念に会社の作業着をリニューアルしようとして生まれたと話していました。『ガイアの夜明け』でも取り上げられたそうですよ。

森岡:つまり単なるスーツではなく、「スーツに見える作業着」。その発想自体が革新的。これまでのスーツとはまったく違う成り立ちです。

小暮:それでWWSでは機能性を優先して開発したのですね。例えば素材。速乾性と撥水性を備え、ストレッチ性もあるので、ストレスや疲れを感じさせない着心地。ポケットなどの収納も多いので仕事でも便利。家庭で水洗いも可能、干せば自然にシワが伸びてくれるので面倒なアイロン掛けも不要です。

森岡:「Ultimex」と呼ばれる高機能素材は、2年間の研究を経て、自社で開発されました。

小暮:撥水性はレインウェアの約1.5倍。透湿性は一般のマウンテンパーカの約3倍。まさに技術屋的発想が生かされたスーツ、いや作業着です。

森岡:デザインはスーツですからそのまま営業にも着て行ける。仕事終わりに女性とデートにも行けます。

小暮:上着は芯地などが省かれたアンコン仕立てで軽量な設計。パンツなどにも持ち物が入るファスナー付きポケットがある。上下で着用しても、印象はほどよくカジュアル。こんなデザインならば、オンとオフ、両用で着こなせます。カジュアル化されたいまの時代にも相応しい。
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photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker edit by Akio Takashiro

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