旬の野菜を用いてつくる定番の一品
外出規制期間を経て、5月の半ばにテイクアウトで営業を再開すると、これまで分かれていた、朝から食べられるメニューと、ランチタイムから提供される料理の区切りがなくなっていた。それは、イートインが復活してからも、継続された。
そして8月の半ば、夏のバカンスが明け、オープンから1年半を迎えたGrammeのメニューはさらにパワーアップした。
日替わりの、バンズを使ったサンドイッチは、シャルキュトリーにチーズと野菜のマリネを挟んだ冷たいバージョンだけでなく、仔羊肉の7時間煮込みや、サーディンのグリルにシャクシュカ(ピーマンとパプリカをトマトソースで煮込んだ北アフリカの料理)、鶏肉のパン粉揚げなど、きちんとした料理を具にした日が多く見られるようになった。
デザートはこれまで焼き菓子が中心で、注文してからつくられる甘いものはパン・ペルデュのみだったのが、日替わりのデザートが登場していた。代わりに、朝ごはんとして人気のパン・ペルデュは週末限定になった。
これは嬉しい。焼き菓子はどれも本当に美味しいのだが、結構ボリュームがあり、食事の後のデザートというよりはおやつに向いていると思っていたからだ。
焼き菓子のケース。キャロットケーキがとりわけ気に入っている
「炭水化物を控えたから、甘いものをちょっと食べるのはいいかなあ」という言い訳が成り立つ組み合わせが実現できるようになった。
それで、「夏のアイオリ」と題された、ジャガイモ、アーティーチョーク、にんじん、カリフラワー、ラディッシュ、ゆで卵の盛り合わせに、カラスミが振り掛けられ、自家製のアイオリソースが付いたひと皿をメインにして、イチゴとマスカルポーネのクリームをミルフィーユ状に重ねたデザートで締めると、体は重くなっていないのに、口の中の欲求はしっかり満たされた。
夏のアイオリ
日替わりのデザート