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米国人はこの夏、大半の欧州諸国への入国を制限された。しかし、クロアチアは別だ。クロアチアは、欧州連合(EU)の勧告を拒絶し、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する米国からの観光客の入国を許可した。

クロアチアではその後、感染者数が増加し、同国から他のEU諸国に到着する人に対しては隔離措置が取られた。多くの人は、クロアチアが米国などから多くの観光客を受け入れたことで、その代償を払うことになったのかもしれないと考えている。

夏に観光客400万人が訪れたクロアチア


旅行業界情報サイト「スキフト(Skift)」がクロアチア観光省の情報として伝えたところによると、7月と8月に同国を訪れた米国人は2万人。外国人観光客の総計は420万人で、その大半はEU諸国からだった。うち100万人がドイツから、175万人がスロベニアとポーランド、チェコ、オーストリアの4カ国からの観光客だ。

クロアチア観光局によれば、8月1日~23日の宿泊数は前年同期比で67%に減少したが、予想を大幅に上回った。

米国人は現在、新型コロナウイルス検査で陰性だった証拠を提示するなどの条件を満たすことでクロアチア入国が許されている。

同国の英字紙ドブロブニク・タイムズは、ビヨンセが39歳の誕生日を祝うため、夫のジェイ・Zと子どもたちと共にクロアチア沖のスーパーヨット「LANA」に滞在したと報じた。LANAの1週間のレンタル料は約200万ドル(約2億1000万円)だ。

ロッド・スチュワートやマジック・ジョンソン、オーウェン・ウィルソンも最近、アドリア海沿岸で休暇を取っているところを目撃されている。

8月中旬には感染者が急増し、隔離措置が開始


しかし、クロアチアがその代償を払ったという疑念も生じている。同国では8月第2週に感染者数が急増。10万人当たりの新規感染者数が7.8人から21.5人へと2.7倍も増加した。

これにより、英国などは8月22日からクロアチアを隔離措置対象国リストに加えた。ドイツや英国など多くのEU諸国では、クロアチアから戻った人に14日間の自己隔離が求められている。

スカイニュースによると、クロアチアの観光相はこの決定を「不公平だ」とし、観光地での感染拡大は起きていないと主張。英国に対し、隔離措置の代わりに新型コロナウイルスの検査を導入すべきだと提案している。

ロイター通信によると、クロアチアは感染拡大を抑制するためバーやナイトクラブを10日間閉鎖した。また米国務省は、国民にクロアチアへの渡航を再考するよう勧告した。

しかし、クロアチアでの新型コロナウイルス流行による影響は限定的だ。9月17日時点の感染者数は1万4029人、死者は236人にとどまっている。14日間の累計新規感染者数は人口10万人当たり81.1人で、上位2カ国のスペイン(287.2人)とフランス(166.9人)を下回っている。

編集=遠藤宗生

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