ライフスタイル

2020.09.24 08:00

キャンプ場でもワーケーション 差別化でしのぎを削る滞在先とその課題

Olesya Kuznetsova/Shutterstock.com


3. 働きやすさを加速させる設備やサービスが充実


快眠できる寝具や、疲れにくい高級椅子など、働きやすい設備環境を自宅や職場以上にすることで、仕事の生産性は向上させられそうだ。ワーケーションプランを提供しているホテルを利用する場合、ルームサービスや珈琲の無料提供などがあると最高だ。
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また、仕事の後に温泉に入ることができたら、疲れも取れて癒やされるのにと思う人も多いのではないだろうか。温泉地の大衆浴場であれば、500円以下で源泉かけ流しを利用できる場所も多い。宮城県南部の蔵王町にある遠刈田温泉では、温泉がついている別荘地をワーケーションとしての提供している。

さらに、ベビーシッターや子供の一時預かり施設があると、仕事に集中できて助かる家族も多いだろう。平日は仕事をして、週末は家族一緒に、自然あふれる場所でのんびり過ごすというワーケーションも実現しやすくなるはずだ。

4. 移住の予備練習と考える


お試し移住のような感覚で、地方でワーケーションをする場合には、地元の人達と交流を楽しみたい人もいるだろう。例えば、地場の野菜や肉を活用してBBQを実施するなど、都心にはない楽しみ方が味わえる宿泊施設もある。ワーケーションは、移住定住施策の一歩前の施策として有効な手立てとなるかもしれない。
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これからの課題


ワーケーションに関するビジネスは、これから市場が確立していくものであり、まだ道半ばだと言える。これからワーケーションの場を提供する側には、地域資源をうまく活用しながら、利用者とそのニーズを捉えた商品提供が求められるだろう。

また、供給サイドの数が増えるだけでなく、需要サイドが追いついてくることも必要だ。そこでネックになってくるのが、滞在者が支払う費用である。

1週間の滞在を考えたとき、1泊素泊まり5000円だとすると、1週間滞在すれば3万円かかる。往復の交通費や食費を含めると5〜6万円はかかるだろう。滞在期間が長くなれば長くなるほど、費用がかさむことが障壁になる。

滞在者が安価に利用するためには、ワーケーションを提供する側の新たな収益源の確保が求められる。例えば、家電・家具・日用雑貨などの製品を、滞在先で試せるようにすることもその1つだ。温泉地の浴場に置いてあるシャンプーのサンプルが想像しやすいかもしれない。

店頭やネットショップ以上に、製品の性能の良さを体感することができ、企業側も販促に繋がりやすい。無印良品が提案する旅の宿「MUJI HOTEL」もこれに近いだろう。他にも滞在者が、SNSなどで情報発信をするかわりに安価でサービスを提供するなどの割引も考えられる。

また、地方自治体が短期的に補助金を使ってワーケーションプランを安価で提供し続けてしまうと、ワーケーションの市場は持続的に成立しづらくなる。今後、需要と供給が合致し、持続的にワーケーションが定着していくか、注目が集まる。

連載:「遊び」で変わる地域とくらし
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文=内田有映

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