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中国のライフスタイルと働き方の新常識


授業が全土一斉にオンライン授業に切り替えられた理由として中国ではもともと若年層のネット普及率が高いことがある。

高い若年層のネット普及率 地方格差も縮小


中国国家統計によれば、2020年3月のネットユーザー数は9億400万人で、中国全体からみればネット普及率は64.5%だが、年齢別では10代から40代のネット普及率が90%から100%で、50代やそれ以上の年齢層に比べると非常に高くなっている。

インターネットの「行业频道」は、「2019年中国未成年ネット普及率」の中で、小学生のネット普及率は89.4%、中学生は97.6%、高校生は97.6%と報道している。農村部と都市部のネット格差も縮まっている。都市部の未成年ネット普及率が93.9%に対し、農村部の未成年の普及率は90.3%。未成年に限っていえば、都市部と農村部では大差がないということになる。その理由として最近、農村部にスマホが急速に浸透してきていることがある。

授業をする教師のネット利用については、筆者が中国の大学や学校に勤務していた時のことを思い出す。同僚の中国人教師は教師会議の連絡や日々の業務報告、学生との連絡などにスマホのショートメッセージやメッセンジャーアプリの微信(ウィーチャット)を日常的に利用していた。教師の年齢は20~30代が主流だ。

これらのことから、中国がオンライン授業を行う土壌はできていたと思われる。

大学でも政府の休校措置を受けて、全国の大学でオンライン授業が行われた。春学期を通して、1454校の大学で108万人の教師が合計1719万回のオンライン授業を実施した。教育部によると、オンライン授業に参加した学生数は2259万人、延べ人数は35億人に達する。

オンライン授業の講義ツールとして、Web会議ツールのZOOMや、東京大学など世界の有名大学が公開講座を提供しているMOOC、また、中国企業のアリババが開発した钉钉(Ding talk)やウィーチャットを運用するテンセントの「腾讯会议」などが使われた。

学生に人気なオンライン教材 新学期からの感染防止策は


中国では新学期は9月から始まるが、大半の学校で授業が再開された。

上海の大学でも新学期は、対面の授業が再開された。感染予防策は徹底して行われており、初登校は分散登校で、スマホの健康コードの緑色QR(リスクなし)など健康証明書の提示、マスクの着用、手の消毒、交通機関を利用する時は長時間の利用を避け、人との距離を保つこと、また、登校後は毎日体温測定し自己管理に努める、発熱など身体に異常あるときは報告するなどが要求されている。

ところで、2月に無償提供されたオンライン授業のプラットフォームだが、学生たちの評判も良かった。新学期がオンライン授業ではなく、授業が開始されることが明らかになってからは、ネット「百度(バイドゥ)」のコミュニティサイトでは、「授業が再開されたらプラットフォームは閉鎖されるのでしょうか」、「心配するな。もし閉鎖されたら別の機能が現れるはずだよ」などの会話が交わされていた。

幸い、中国のオンライン教材のプラットフォームは秋学期も引き続き運営されている。

連載:中国のライフスタイルと働き方の新常識
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文=廣田壽子

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