自宅時間が増えたいまこそ、「ハンドメイド」でイノベーションを起こそう。
ハンドメイドが好きです。それは、カッコつけない素の自分でいられるから。地味な面、実はガーリーな面、完璧ではない面。本業では出せない面をハンドメイドの世界は優しく受け入れてくれるのです。私は夜な夜な下手くそな子どもの服を縫って幸せをかみしめていますが、何をつくっても誰にもとがめられないし、どんなに不器用でも誰も文句を言わない。ここはゆるい極上の世界なのです。
その幸せ王国で私が愛しているのは、プロセスや完成品に加えて、マインドセット。「欲しいものがあるけど買えない。もしくはこの世にない。じゃあ自分でつくっちゃう?」という能動的な姿勢です。そんなハンドメイドマインドが炸裂するケースを集めてみましたら。ハンドメイドがマスプロダクトと出合うときだと気づきました。両極端の遭遇!身の回りにある大量生産の既製品の力をうまく使って、お手持ちのハンドメイド技術と上手くミックスしこの世にないものを創造するのです。では、事例を見てみましょう。
憧れのハイヒール
ハイブランドはお高くて手が出しにくいですよね。しかし、高いから買えないで終了してしまうのはハンドメイドマインドがない証拠。マスプロダクトのハイヒールの裏に赤のペンキを塗ることでクリスチャン ルブタン風、ヒールと靴下でつくるKanye West’s heelsもどきと、憧れブランドをなんとかこさえる愛とジョーク。世界のメディアが取り上げました。
靴下に穴を開けて高価なKanye West’s heelを再現。ウィットに富んだ情熱が見て取れる
IKEAを素材にする
IKEAの製品はシンプル・廉価で改変されがち。「LACK」 というテーブルは天板が加工しやすく、ディスプレイをはめ込んで、かつて喫茶店に置いてあったようなアーケードゲームになります。
アーケードゲームだけでなく美大生の展示などにもカスタマイズされがちなIKEAのテーブル
R-1ヨーグルトラッシー
東京・新橋に「みぼうじんカレー」という変わった名前のカレー屋さんがあります。そこで提供されているのがこのメニュー。R-1ヨーグルトをラッシーの材料にしているのです。R-1の「強さ引き出す」というメッセージまでもミキサーにかけて、新橋のビジネスパーソンに愛情たっぷりのメニューをお届けする。マスプロダクトの力を借りることで持てる技術以上の愛を表現できた素晴らしいクリエーションです。
ぴったりサイズカバン
子どもが通う保育園から、ロッカーにぴったり掛けられる絶妙な大きさ&長さのカバンを用意してほしいと言われました。一からつくる時間も気力もなく鬱々としていたある日。夫が「これ使えるかも」と近所のお店に掛かっていたエコバックを指さしました。しかし、肩掛け用でハンドルが長い。この「もう少しで理想に近づけるのに!」という場面こそハンドメイドの出番。別のカバンのハンドルを切断し、再度縫いつければ、最高にジャストな物が完成。自宅から徒歩5分圏内で理想のゴールにたどり着きました。
ハンドルを切って縫い直すことで、保育園の厳しいサイズ要求を完璧に満たした