採用活動にオウンドメディアを活用するメリット
採用メディアの活用方法や成果指標は企業によってさまざまだが、上記の成功事例から共通して伺えるメリットがいくつか考えられる。
自由度の高い情報発信ができる
第一に、フォーマットに縛られない自由な情報発信ができる点だ。
例えば求人サイトでは、記事ページのデザインや掲載できる写真や文字の量など、大まかなフォーマットが決まっており、サイトデザインのカスタマイズに制限がある。
一方、自社のオウンドメディアであれば、取材形式のインタビュー記事や部署紹介といったコンテンツそのものを自由に企画・配信することができる。例えば動画などもイメージに合った掲載ができる。
結果、採用広告では伝えきれない企業のリアルな情報発信が採用ブランディングに繋がり、自ずと自社のカルチャーにフィットする人材を獲得することができるメリットがある。
広告費の削減につながる
求職者との接点に媒体社や人材会社などを介さないため、広告費を削減できるのが2つ目のメリットだ。
例えばSEOを踏まえたサイトや各ページの設計がされていれば、検索流入によってメディアを知るユーザーにも出会えるだろう。また、インタビュー記事や働き方などの普遍的なテーマは、SNS上での二次拡散もされやすく、広告に頼らずとも多くの人の目に触れる可能性もある。
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採用活動にオウンドメディアを活用する際の心構え
上に紹介した例のように、採用オウンドメディアは成功すれば大きな成果が待っている。しかし、運用という点でのコストについては、事前に知っておくと良いだろう。
より具体的に注意点について見ていこう。
コンテンツを更新し続ける必要がある
どのようなポジションで採用が継続中かを示すためにも、オウンドメディアのコンテンツは更新し続けなくてはならない。年に1〜2回(春・秋)程度のタイミングが山場である新卒採用だけでなく、入社時期を問わない中途採用を対象としているのであれば、特に情報の新しさが求められる。
「〇〇年度採用」といった年度毎に作り替えるページではなく、情報がストックされていくオウンドメディアの場合は、情報更新が止まっていることがマイナスイメージにもつながる。
とはいえ、無理に毎日・毎週と更新する必要はない。実際にサイボウズ式やメルカンも、現在の更新頻度は2週間〜1ヶ月程度に1記事といったペースだ。ただし、記事コンテンツを公開せずとも、水面下では先を見据えたテーマの企画や執筆が進んでおり、制作活動は常に動いていることは確かだろう。
コンテンツはユーザーが3回接触して初めて認識してくれるという「3回接触の法則」がある。それが100%正しいと言わないにしろ、読み手から自社を想起してもらえるようになるまで根気強く情報発信をする必要がある。