「本物のヘルスウォッチ」で差別化するウェアラブルFitbitの野望

Fitbit Sense (c) Fitbit


医療関係者も認める正確なデータ


買収手続きは、EUの独禁法絡みの規制をクリアする必要があるため、まだ完了していないが、今年中には決着する見通しだ。「アンドロイドのエコシステムに正式に組み込まれることは、当社にとって大きな飛躍となる」とパークは述べている。

Fitbitはさらに別の2種類のウェアラブルデバイスも発売した。「Fitbit Versa 3」と「Fitbit Inspire 2」だ。前者はFitbit Senseと同様のスマートウォッチだが、EDAセンサーは備えていない。Inspire 2は、同社の初期のプロダクトの流れを汲むフィットネスバンドだ。

この2つのデバイスと共に、Fitbitは3つの価格帯でプロダクトを揃えている。プレミアムライン的な位置づけがSenseであり、ミッドレンジがVersa 3、そして手頃な価格のエントリーモデルが、フィットネスバンドのInspire 2となっている。

しかし、アンドロイド陣営では、サムスンやファーウェイ、シャオミ、OPPOなどが相次いでウェアラブル製品を送り出している。Fitbitはどのようなメリットを打ち出していくのだろう?

「大きな差別化点と言えるのは、当社がこれまで健康データの信頼できる供給源の役割を果たしてきたことだ。当社は今後も、規制機関と緊密な連携をとっていく」とパークは話した。

彼はさらに、Fitbitが以前から新型コロナウイルス感染症の早期発見の研究を進めてきており、これまで10万人以上の陽性者を対象に実験を行い、診断アルゴリズムを開発していると述べた。Fitbitのデバイスは、同種の研究を進めるスタンフォード大学の研究チームにも採用されているという。

「ヘルス領域では、より厳密なテストを行い、正確なデータを積み上げていく必要がある。厳密な調査を行わずに、その製品がヘルス関連のプロダクトだと主張することは許されないのだ」とパークは話した。

編集=上田裕資

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