米国株「年末までに過去最高値を回復」 ゴールドマンが見通し

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米ゴールドマン・サックスは、このところ売りが続いていた米国株について、年末までに史上最高値の水準を取り戻すとの見通しを示した。新型コロナウイルスワクチンをめぐる楽観論の高まりや、経済再開の進展を要因に挙げている。

米国株の指標のひとつS&P500種株価指数は今月、高騰していたハイテク株の急落をきっかけに、5月以降で初めて週間ベースで2週連続の下落を記録していた。足元ではそこからの回復をうかがっている。

ゴールドマンは14日のリポートで、S&P500の年末の予想値を3600で据え置いた。これは同日の終値から6%の上昇となる。

米国株戦略の責任者を務めるデービッド・コスティンは「過去1週間の急激な売りにもかかわらず、わたしたちは米国株式市場の先行きについては引き続き楽観している」と記している。

ゴールドマンは、新型コロナウイルスワクチンが近く実用化する可能性が高まっていることを理由に、S&P500は来年半ばまでに3800まで上昇するとも予想している。

また、ワクチンが2021年第1四半期までに実用化する可能性が「大幅に高まっている」として、2021年の米国内総生産(GDP)成長率を6%と予想した。これはウォール街のコンセンサス3.9%よりもはるかに高い数字だ。

コスティンは「過去1カ月、企業の業績予想の(上方)修正は足踏みしているが、一段の経済再開とワクチン開発の進展によって再び促されるとみている」とも言及している。

S&P500は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による経済活動の制限が最も厳しかった時期に30%超下落したが、その後、3月23日の安値に比べ50%超高い水準まで回復している。ただ、足元では9月2日の過去最高値に比べると5%ほど低い。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐってはこの数日、明るいニュースが相次いでいる。オックスフォード大学と共同で開発している英アストラゼネカは、治験で最終段階となる第3相試験を英国で再開。米ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)も13日、年末までに米国内で広く流通するようになる可能性があると述べている。

ゴールドマンは先月、少なくとも1つのワクチンが今秋、米食品医薬品局(FDA)の承認を受ける可能性が高いとの見通しを示していた。

編集=江戸伸禎

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