その上カーダシアンは、フェイスブックに立ち向かうことによって“ヒーロー”とでも呼ばれたい考えのようだ。先ごろ、同社などに対するボイコットを呼び掛けるキャンペーン「#StopHateForProfit(利益のためのヘイトをやめろ)」に参加する二十数人のセレブたちの仲間に加わった。
「#StopHateForProfit」は、フェイスブックと傘下のインスタグラムなどを通じて有害な発言や誤った情報が広まっていることへの関心を高めることを目指す活動だ。SNSの運営会社に対し、ヘイトグループの活動や選挙に関する誤解を招くような情報の取り締まりなど、さまざまな改革の実施を求めている。
ソーシャルメディア全体にヘイトスピーチが広まっているにもかかわらず、フェイスブックの対応は遅い。ヘイトをなくそうというこの活動は、称賛に値するものだ。
カーダシアンをはじめレオナルド・ディカプリオやジェニファー・ローレンス、ケイティ・ペリーなどは9月16日、この活動に注目を集めようと、それぞれのアカウントを24時間「凍結」した。
だが、この24時間の凍結に参加したカーダシアンが“英雄的”なのかといえば、まったくそのようなことはない。
SNS利用で多額の利益
カーダシアンがこれらのプラットフォームのアカウントを永久に閉鎖するなら、それはたたえられるべき行動だろう。ソーシャルメディアは、(人気リアリティ番組に出演する)カーダシアン(およびジェンナー)一家の生命線だ。キムだけでも、フォロワーはインスタグラムで約1 億8800万人、フェイスブックで3千万人余りに上る。
キムはSNSアカウントをほぼ無料のマーケティング・プラットフォームとして使い、大半の国々の人口を超える数のフォロワーたちに向けて、自身のブランドの商品を宣伝している。また、同時に他社の商品も紹介し、収入を得ている。