キム・カーダシアンの反ヘイト活動が「英雄的」ではない理由


キムが本当にフェイスブックに反対する立場を取るつもりがあるなら、アカウントを閉鎖し、テレビや印刷物、ラジオなど、従来のチャネルを通じた宣伝に切り替えるだろう。

だが、そうすれば彼女は、自身と自社をリスクにさらすことになる。コストが増加し、利益が減少することになる。倫理的な行動は、高くつくことが多いのだ。

一方、フェイスブックやインスタグラムを1日使わなくても、彼女の側に発生するコストは1セントもない。カーダシアン&ジェンナー家の面々には、生まれながらにこうした抜け目ないマーケティングのスキルが備わっているとみられる。

フェイスブックに反感を持つ米国人が増えていることを考えれば、24時間のボイコットは結果として、キムに利益をもたらす可能性がある。彼女に好感を持つ人が増えれば、“キムの行動を支援する行動”として、彼女の商品を購入する人が増えると考えられるからだ。

何かに反対する態度を取るために、自身のビジネスに大打撃を与えるようなことをしろというのは、無理な注文だろうか。それならばせめて、フェイスブックの宣伝はしないと約束するのはどうだろう?

キムは昨年、フェイスブックのビデオ通話デバイス「Portal(ポータル)」の広告に出演。フォーブスの推計では、少なくとも100万ドル(約1億500万円)の報酬を得た──先頭に立って企業への批判の声を上げようとするなら、その人はその企業から二度と対価を得ることはない、と考えるのが妥当だろう。

編集=木内涼子

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