バイオプラ袋は本当に地球に優しいのか サステナ担当に聞いてみた

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──ではバイオプラに替わる素材はあるのでしょうか?

現在、通常は廃棄されてしまうような果物の皮や魚の鱗、急速に再生可能な海藻や藻類、など現在使用されているトウモロコシやキャッサバといった食用作物に替わるサステナブルな素材開発が世界中で進んでいます。まだまだコストが高く、研究段階のものばかりですが、将来的に安価に製造可能になれば、よりサステナブルな素材として普及していく可能性があります。

それでも、その素材を工場で生産・輸送するためのエネルギーがかかります。製造にエネルギーを必要とするものを作っては捨てを繰り返すのは、結局サステナブルとは言えないというジレンマに陥ります。最終的には新しい素材を開発するよりも、個人であればマイバッグを持参、デリバリーなどのサービスであれば資材を極力減らし、リユースやリサイクルなどの他のソリューションも併せて考える必要があります。



コロナの影響により、世界的にデリバリーやテイクアウトなどのサービス需要が急速に伸びる中、ますます食品まわりのゴミは増えていくことが予想されます。サービスを提供する側は過剰なサービスを、利用する側は過度な期待をするのではなく、できるだけゴミの出ない配慮を、お互いが歩み寄りながら見つけなければなりません。また当然、そのゴミの素材や質も問われます。

デリバリーやテイクアウトを利用する消費者は、ただ美味しいとか便利だけではなく、そのお店や企業が資材やゴミなどへの配慮がなされているか、環境や社会に対してどのような取り組みをしているのか、というところまでを判断基準に含めれば、よりマインドフルにサービスを享受できるのではないでしょうか。

連載:クリエイティブなライフスタイルの「種」
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文=国府田 淳

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