調査対象の国々の中で唯一、米国を肯定的に捉えているのは韓国で、全体の59%が好ましい国であると回答した。しかし、韓国とスペイン、イタリア以外の諸国では、米国の好感度は過去20年間近くの間で最悪レベルに低下している。
米国の好感度は総じて言うと、トランプ政権の誕生以来、年を追うごとに低下しており、ピュー研究所によると特に2019年以降は落ち込みが顕著だという。ただし、スペインにおいては米国が好ましい国であると考える人の割合が伸びており、2017年の31%から2019年には40%に上昇していた。
米国の新型コロナウイルスへの対応を「良い」と回答したのは15%で、「やや悪い」が31%、「非常に悪い」が53%に達していた。さらに、全ての国の人々が米国のコロナ対応が、自分の母国の水準を下回っていると回答し、中国やEU、WHOに劣っていると答えた。
また、トランプ大統領の国際問題への対処を信頼すると回答したのは全体の16%で、トランプが世界で最も信頼度の低いリーダーであることも明らかになった。これに対し、ロシアのプーチン大統領の信頼度は23%で、中国の習近平主席の信頼度は19%だった。
今回の調査は6月10日から8月3日にかけて実施され、スペイン、イタリア、カナダ、英国、スウェーデン、フランス、日本、オーストラリア、オランダ、ベルギー、ドイツ、デンマーク、韓国で聞き取り調査が行われた。ピュー研究所は通常であれば、インドやイスラエル、ケニア、ナイジェリア、フィリピンを調査対象に含めているが、今回はこれらの国ではパンデミックの影響で対面の調査が実施できなかったという。
欧州諸国において、米国を好ましい国と考えている人の割合の平均値は33%だった。これに対しカナダでは35%、韓国では49%、日本では41%、オーストラリアでは33%だった。
米国人の大半が「政府の対応が恥ずかしい」
米国人の大半も、トランプ政権のコロナ対応に否定的だ。8月と9月に実施された調査で、米国人の60%が政府のコロナ対応によって状況が悪化したと述べており、68%が新型コロナウイルスについてのトランプの発言を信用しないと述べていた。さらに、68%が、「米国の対応が恥ずかしいと感じている」と回答した。
CNNが8月に開示した調査結果においても、政府のコロナ対応が正しいと回答した米国人の割合は47%に留まっており、46%の英国と並んで世界最低レベルだった。しかし、トランプは、WHOや中国の対応を繰り返し非難する一方で、共和党と共に自らの行動を自画自賛している。