合併後の新会社の価値は48億ドル(約5000億円)相当に達する。オープンドアはブラックロックなどからの資金を含め、現金10億ドルを受け取るという。
オープンドアの創設者兼CEOのエリック・ウーは声明で、「私たちは住宅の売買を簡単かつ瞬時に行えるようにするために当社を設立した。今回の提携は当社のミッションの達成に向けた、マイルストーンの1つとなる」と述べた。
2014年設立のオープンドアは、価格査定アルゴリズムを活用して住宅の売買を迅速化する“iBuying”分野の市場リーダーとされている。同社の評価額はここ数年で急上昇しており、直近では2019年に38億ドルとされたが、背景には2018年にソフトバンクから4億ドルの資金調達を実施したことがあげられる。
オープンドアは昨年、1万8000件の住宅販売を行い47億ドルの売上をあげていた。しかし、同社は大幅な赤字を出しており、4月には従業員の3分の1を解雇した。同社はさらに、ZillowやOfferpad、Redfinなどの競合との戦いに直面している。
それでも、これらのiBuying系企業の売上シェアは、1兆6000億ドルの住宅購入市場のわずか0.5%でしかなく、巨大な成長の余地が残されている。
同社の合併相手のソーシャル・キャピタル・ヘドソフィアは今年に入り設立された、いわゆるブランクチェック・カンパニー(白紙小切手企業)だ。SPACと呼ばれるこの種の企業は、ペーパーカンパニーとして上場を果たした後、魅力的なテック系のスタートアップを上場させることをゴールとしている。
昨年はソーシャル・キャピタル・ヘドソフィアの第1弾のSPACが、リチャード・ブランソンのロケット企業「Virgin Galactic」を上場させていた。今回のオープンドアとの合併のニュースを市場は前向きに受け止めており、9月15日の午前中に同社の株価は16%の急騰となった。