・砂粒ほどの大きさのマイクロプラスチックが、洗濯用洗剤や化粧品といった日用品の中に目に見えない形で含まれています。
・欧州連合(EU)では、毎年1700万トンのマイクロプラスチック微粒子が生産され、その多くは海に流れ出ています。
・植物由来の新たな素材が、この問題の解決手段となり得るでしょうか。
目に見えない「使い捨てプラスチック」
私たちは皆、使い捨てプラスチックがどのようなものかを知っていると思っています。そして、使い捨てプラスチックの利用を避けたり、再利用やリサイクルに熱心に取り組んだりしています。そして今、プラスチック製のボトル、箱、袋に加え、新型コロナウイルス感染拡大により使用が急激に増えた大量の個人防護具が、対処しなければならない問題となっています。
しかし、大量のマスクがクラゲのように海に漂う中、これとは別に、カメラのレンズでは捉えられないプラスチック汚染物質が海に浮かんでいます。
それは、人々が恐らく日々使用していながらも、目にすることのない類いの使い捨てプラスチックです。砂粒ほどの大きさの、目に見えないマイクロプラスチックは、回収してリサイクルすることができません。少しずつ、これが大きな問題となり始めています。
「マイクロカプセル」と呼ばれるその物質は、マイクロプラスチックの一種です。毎年、何百万トンものマイクロカプセルが生産され、家庭用品、洗濯用品、スキンケア製品、化粧品の原材料に添加されています。肉眼ではほとんど見えず、液体やローションに浮遊しているこれらの隠れたマイクロプラスチックは、衣類の柔軟剤や洗剤に含まれる香りの粒のような活性成分を保持し、放出します。
香りは、科学的に巧妙な方法でその効果を発揮します。私たちの脳は、衣類がある種の香りを放つ時に、その衣類がより白く見えるような感覚を引き起こします。ブランドによってそれぞれ香りに特徴があり、その香りを商品の付加価値とすることができるのです。しかし、これらは、顧客と業界のどちらにも利点となっていますが、その陰にはマイクロカプセルの存在があります。
この極小カプセルは、人が意識しやすい瞬間に香りを放つことで、私たちが好きな「洗い立て」の香りが衣類から感じられるため、大ヒットとなっています。干されている洗濯物が乾く際にそよ風に乗って広がる香り。頭から衣類をかぶった時に感じる爽快感。長い一日の終わりまでしっかりと残る香り。これらを可能にしているのは、商品に添加されているプラスチックなのです。