2020年版リストを担当した編集者のラナ・ウェフベ・ワトソンは「世界が新型コロナウイルスのパンデミックによりもたらされた不安と闘う中、困難な時期の中でも状況に順応して素晴らしい成果をあげているこうしたビジネスウーマンにフォーブス・アジアがスポットライトを当てることはかつてなく重要となっている」と指摘。
「今年のリストでは、バイオテクノロジーや教育、物流、法律といったさまざまな分野の企業・組織でトップに立つ25人の女性を選んだ。彼女たちが示してきた成功やレジリエンス(回復力)のあるリーダーシップは、周囲にインスピレーションを与える模範となっている」と述べている。
赤井田は2001年にファーストリテイリングに入社して以降、出世街道を突き進み、ユニクロ日本事業で女性初のCEOに就任。日本一の富豪であるファーストリテイリングの柳井正会長兼社長から後継者候補としても選ばれている。
ファーストリテイリングでは長年にわたり女性幹部の割合が高く、管理職の40%近くが女性だ。赤井田は同社ウェブサイト上に掲載されたメッセージで「すべての女性に伝えたいのは、『自分が思っている以上に高いポテンシャルがあると早く気づいてほしい』ということです」と語っている。
一方、小巻のキャリアは大きな回り道だった。東京大学大学院の教育学研究科で修士課程を修了した後、サンリオに入社したが、1984年に結婚退職。だが子ども1人の死去と離婚を経験した後、2003年に同社に復帰した。
復帰後は乳がんの克服と子宮全摘出を経て、2015年にサンリオエンターテイメントの取締役に就任。翌16年にはサンリオピューロランドの館長となった。ピューロランドとハーモニーランドという2つのテーマパークの事業立て直しを指揮し、18年に黒字化を達成。両パークでは新型ウイルスの流行による1カ月余りの休園にもかかわらず、2020年3月期の顧客単価が前年を上回った。
「アジアで影響力のあるビジネスウーマン」25人の全リストはフォーブス英語版サイトで公開されている。