アップル、新型アップルウォッチで「健康とサブスク」に注力鮮明

アップルウォッチ6背面に血中酸素飽和度センサーがある(アップル提供)

アップルは9月15日に開催した新製品発表イベント「Time Flies」で、アップルウォッチとiPadの新型モデルを披露した。新型iPhoneについての発表は無かった。ここでは今回のイベントの注目ポイントを紹介する。

アップルウォッチの最新モデル「シリーズ6」の価格は399ドルで、血中酸素飽和度(SpO2)測定に対応する。血中酸素飽和度とは、血液中にどの程度の酸素が含まれているかを示すもので、身体に疾患があったり体調不良を起こしていたりするとこの数値が低下する。

フォーブス寄稿者のJohn Koetsierは8月初旬の記事で医療情報サイトに掲載された、「医師たちが、新型コロナウイルスの患者の血中酸素飽和度が危険なレベルに低下していることを指摘した」との発言を引用し、パンデミックとの戦いに役立つ機能がアップルウォッチに搭載される見通しだと伝えていた。

シリーズ6に搭載された新たなセンサーは、約15秒間でユーザーの血中酸素飽和度を測定可能とされる。アップルによると、この機能は現時点では、医療目的の使用を前提としたものではないが、同社は疫学研究機関のSeattle Flu Studyや、ワシントン大学医学部の研究チームと共同で、このセンサーが新型コロナウイルス感染症の早期発見に有効かどうかを調査中という。

アップルが今回発表したもう1つの新たなハードウェアが、599ドルの新型iPad Airだ。このモデルではホームボタンが廃止され、電源ボタンに新型のTouch IDセンサーが組み込まれた。さらに、LightningではなくUSB-Cポートが搭載されている。チップはアップルが最もパワフルなチップと自負するA14 Bionicが採用されている。

今回のイベントでは、フィットネスに特化したサブスクリプションサービスの「Apple Fitness+」の立ち上げも宣言された。これは週に1度更新されるフィットネスのビデオ講座が月額9.99ドルから利用できるもので、アップルウォッチの利用者向けのサービスとなっている。
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編集=上田裕資

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