玄関を開けたらバスケットコート。「レクリエーションしながら」暮らす家

写真:矢野紀行


コートには思わぬ将来性も━━


これだけの広面積を、限られた目的に、いわばかなり「贅沢に」使用しているわけだが、将来、間仕切りをして部屋数を増やすなどのリノベーションを考えないのだろうか。

「夫が小さい子ども対象のコーディネーショントレーニング(子どもの成長期の運動教育で、脳を活性化させながらトレーニングする手法)の勉強をしていて、すでに少しずつ子どもたちに教えたりしているのですが、子どもが大きくなって時間に余裕ができたら、本格的にコーディネーショントレーニングの教室をやれたらいいね、と話しています。1階のコートはその時の教室に使えるので、大きなリノベーションは考えていません」

さらに、コートの真ん中にソファーを置いてプロジェクターで映画を観ようかなど、「余白を生かす」アイディアは尽きない。

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屋外からコート内をのぞく。白く見える外壁と、「体育館」の有孔ボード+ベニヤの茶のコントラストがクール。

光熱費? 寒かったら「運動」


この家の竣工年は2016年。4年目の今年は、コロナ禍で在宅時間が長くなったはずだが、そんな期間にこの家に住んでいてよかった、と思うのはどんな点だろう。

「とにかく、1階のコートを使っていろいろ遊べるので、こもっていてもまったく退屈せずにいられたことです。

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長男と次男はミニバスケットボールをやっているので、バスケはもちろんですが、体力アップのために縄跳びもよくしましたし、娘とは、ユーチューブでお手本動画を見ながら『ハンドクラップ』をやったりしました。それから、1階だけでなく2階のプレイルームでは、動画を作ったりして家族で楽しみました」

究極の「吹き抜けの家」、暖房費、冷房費は相当かかるのではないだろうか。

「実は、今月の電気代は7000円だったので一般的だと思います。冷房も使いますが、業務用のエアコンを設置しているので、効率がいいためもあるかと。

暖房はあまり使いません。基本的に、わが家は『寒かったら動こう!』主義。子どもたちにも『暖房つけよう』とは言われませんね」

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施主にして設計士の松角美行氏(中央)と夫の翔吾氏(左)、長男の健吾君

文=石井節子 写真=矢野紀行

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