等しい価値観で繋がる場。「イコーランド シブヤ」のサステナブルな試み

新しく生まれ変わった宮下公園の複合施設「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)の3階にオープンした「イコーランド シブヤ(EQUALAND SHIBUYA)」。


 TRUST(信用)から始まるサステナビリティ

「イコーランド」プロジェクトの第1弾は、同社が昨年立ち上げたECブランドだ。「TRUST FASHION(ファッションの信用)」を掲げ、工場の倉庫に余剰在庫として眠っていた残反や残糸を使うなど、サステナブルなファッションを提案し、生産工程の透明化を図る。環境に配慮したボタニカルダイのオリジナルTシャツに付けられたタグには、綿花生産者からパタンナーまで、製造に携わった人々の自筆署名がプリントされている。「信用タグ」と呼ばれるこのパーツは、“顔が見える服作り”を目指す同ブランドの象徴だ。


ボタニカルダイのTシャツの「信用タグ」。元々は取り外す前提でデザインされたが、付けたまま着用したいとの意見が集まり、小さなサイズでも展開している。


服として着るにはダメージが多い、古着のオイルドジャケットとキルティングパンツを、ヘルメットバッグにアップサイクル。

オリジナルブランドの立ち上げに続き、プロジェクトの第2弾として展開するのが「イコーランド シブヤ」である。約262平方メートルの店舗は4エリアで構成されており、マーケットエリアと呼ぶ物販コーナー、若手アーティストの作品を展示し交流するギャラリーコーナー、オリジナルブランド「イコーランド トラストファッション」の販売コーナー、そしてプレスルームが併設された。

小売りとプレスルーム、コミュニティースペースなどを融合した店舗は、「等しい価値観で繋がるコミュニティ」を生み出そうとするイコーランドのコンセプトを具現化するリアルな場となった。

この店の構想を託すにあたり、松井氏が白羽の矢を立てたのが、森井杏南氏。弱冠26歳で「イコーランド シブヤ」のディレクターを務める人物だ。

「30代、40代では、すでに固定概念が出来上がってしまい、今までに無いビジネスモデルを生み出すには柔軟性に欠けることがある。自分自身も20代の時に店を任されたことがあり、その経験が今に生きていることから、この店も森井をはじめ若手に任せることにしました」


イコーランド シブヤを運営するワンオー代表取締役の松井智則氏と、同店のディレクター森井杏南氏。業界の常識にとらわれない若手の感性が、新しいビジネススタイルを生むと松井氏は言う。
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編集&文=Mari Maeda (lefthands) 写真=Jun Miyashita

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