ビジネス

2020.09.16 07:00

顧客を「信者」にする。 外国語学習の「Duolingo」が熱狂を生む理由

Duolingoのコミュニティ責任者であるローラ・ネスラー氏(筆者撮影)

Duolingoのコミュニティ責任者であるローラ・ネスラー氏(筆者撮影)

北米には「カルト・ブランド」という概念が存在する。カルト的な人気を誇り、熱狂的な「信者」を抱えるブランドのことだ。そして、そんな存在になるための方法論を「カルト・ブランディング」と呼ぶ。
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そのノウハウを学ぶカンファレンス「The Gathering」が今年2月、カナダ・バンフで開かれ、筆者は現地に赴いた。今回は、強固なコミュニティを構築し、同カンファレンスからカルト・ブランドとして認定された外国語学習サービス「Duolingo(デュオリンゴ)」のセッションを紹介したい。

「信者」を生み出すカルト・ブランディング


まずはカルト・ブランドの定義について確認しておきたい。

日本で唯一とみられるカルト・ブランディングの書籍『カルトになれ!:顧客を信者にする7つのルール』(マシュー・W・ラガス、ボリバー・J・ブエノ(2005) 安田拡訳、フォレスト出版)では、カルト・ブランディングの定義について以下のように説明している。
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「企業、人間、場所、組織を、実際に『好きなブランドのためなら身をささげる信者』の集合体に変えるプロセスを指す」

また、定義にある「信者」については、「ブランドとの一体感を持ちつつ、目に見えるさまざまな方法でブランドとの関わりを示す顧客」を意味するとしている。

カルト・ブランディング
カルト・ブランディングのノウハウを学ぶカンファレンス「The Gathering」の会場(筆者撮影)

ブランドとの関わりを示す場は、オンラインでもオフラインでも構わない。ひとたび「信者」となれば、ブランドの商品やサービスを使ったり、イベントに参加したりしたことを、自ら発信してくれるようになる。

近年の消費者は広告や宣伝の内容について懐疑的な見方をしている。消費者が何かを購入する際、家族・友人・同僚といった人物以外の意見は、あまり信用していない。したがって、ブランドにとって「信者獲得」は、何より重要なものとなりつつある。
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文、写真=田中森士

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