日本への留学生が帰国後に感謝する「4つのこと」

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次に、仕事中の携帯電話の使用は禁止。たとえ客がいなくても、カウンターで背筋をまっすぐに伸ばして立ち、笑顔。そして大きな声で「いらっしゃいませ」と言って客の気を引かねばならない。

3番目に、退社時には同僚に仕事をきちんと引き継ぐこと。たいていの場合、「仕事のチェックシート」がある。トイレ掃除や備品の準備など、特定の仕事を済ませたかどうかを確認するためのシートだ。

また、日本で仕事をしている間には、他にも守るべき仕事上のマナーや考え方が山ほどある。ここでいちいち挙げてもキリがない。客に商品を買ってもらうためのセールストークから、トイレの掃除方法に至るまで、すべて先輩から教わる。新人向けに完璧な教育体制が敷かれているのが普通だ。

そのため、日本ではずっと忙しく働くより他ない。やることがない? 空想にふけるのはダメだ。備品を確認し、テーブルや壁を掃除すること。トイレ掃除ももちろん忘れずに。マニュアルをもう一度読んで、背筋をまっすぐに伸ばして立ち、笑顔を忘れずに、などなど。客がいない時もできることはたくさんある。日本のトイレが世界一きれいな理由はここにある!

このような勤勉な環境で生活するうちに、私はよい習慣を身につけた。やるべきことがないと思っても「自分に何ができるだろうか」と考え、その瞬間、自分にできることを探し始める、という習慣を。

やるべきことがまだ見つからない時は、先輩や同僚に聞いたり、整理整頓をしたり、マニュアルを読んだり、新しい知識を得るためにオンラインで検索し始める。当然のことながら、新たな知識を得ることは、自分自身にとっても、職場の仲間にとってもプラスになる。

日本人が、地球上で最も忙しいと言われている理由はここにある。嘘じゃないか、って? それなら一度、日本を訪れてみるとよい。そうすれば、これは事実だとわかるだろう。

翻訳=神原里枝 編集=石井節子

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