250ドルで買えるシャオミの4眼スマホ「Poco X3 NFC」の画期的性能

The Poco X3 NFC. BEN SIN


価格に見合ったカメラ性能


X3 NFCは、4台のアウトカメラと200万画素のインカメラを1台搭載している。アウトカメラは、メインが6400万画素の「ソニーIMX682」で、1300万画素の超広角カメラに加え、2台の200万画素のセンサーとなっている。

日中の撮影において、メインカメラはコントラストやダイナミックレンジ、シャープネスが素晴らしい。シャッタースピードは、最高水準のカメラに比べると少し遅いが、大きな欠点ではない。

一方、夜間の撮影はセンサーサイズが1/1.73インチのため、常に明るく撮影するのは困難だ。「ナイトモード」を使えば多くの問題が解決するが、それでも画像がぼやけることがある。

望遠レンズがないため、ズーム撮影はデジタル処理で行う。センサーは6400万画素あり、2倍ズームであれば画質が劣化せず撮影できる。超広角カメラは画角が119度あるが、画素サイズが小さいため夜間の撮影には向かない。インカメラは写真撮影では問題がないが、動画撮影では手ブレ補正機能が搭載されていない。一方、メインカメラでは安定した動画撮影ができる。

総合的に見て、カメラ性能は高いと言える。筆者は最高品質のスマホを数多くテストしており、X3 NFCのカメラ性能が筆者の想定を上回ることはなかったが、価格を考慮すれば十分な性能だと言える。



Poco X3 NFCで撮影したポートレート写真(上)と夜間の写真(下)。撮影=BEN SIN

バッテリーは2日間持続


X3 NFCは、大容量バッテリーと最適化されたソフトウェアの組み合わせにより、通常であれば2日間の連続使用が可能だ。OSは、シャオミ独自の「MIUI 12」が搭載されており、見た目はすっきりしていて使い勝手も良い。

X3 NFCはステレオスピーカーを搭載しており、高音質を楽しめる。(価格が2倍以上する端末でもステレオスピーカーを搭載していない端末は多い。)ハプティック(触覚)エンジンも非常に優れている。また、モデル名にある通り、デジタル決済用にNFCに対応しているほか、ヘッドホンジャックを搭載している。

全体的にパフォーマンスレベルは高いが、前述の通り、メモリが低用量のため、アプリの起動に通常より時間が掛かることだけが気になる。


Poco X3 NFC。撮影=BEN SIN

最もバランスのとれた低価格スマホ


シャオミは、もともと低価格を売りにしていたが、近年では先進的なスマホを開発し、性能面でサムスンやファーウェイと肩を並べるまでになった。しかし、中国やインドでは古くからのシャオミファンが多く、引き続き低価格を求めるニーズは多い。

今回リリースしたPoco X3 NFCは、まさにそうした層をターゲットにした製品だ。シャオミのハイエンド端末「Mi 10 Ultra」は最高品質のスマホであり、今年発売された折りたたみ式でないモデルの中で、筆者の一番のお気に入りだが、同社は販売価格が500ドル程度のミッドレンジ端末にも優れた製品を揃えている。そして、新たに発売したPoco X3 NFCは、250ドル以下のレンジで最も機能が充実した端末だ。シャオミは、今やスマホメーカーの中で最もバランスの取れた製品ポートフォリオを持つメーカーだと言える。

編集=上田裕資

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