変化が前倒しになっただけ。デンマークで考える「未来の働き方」

BLOXHUBで行われたイベントの様子

コペンハーゲンで働いて数年になるが、僕の働き方は今年の3月のロックダウンの後、大きく変わった。オンラインでの打ち合わせや会議が日常となり、オフィスに行くことが少なくなり、家で作業をすることが多くなった。家族と過ごす時間が増えた良さを感じる反面、オフィスでの同僚たちともっと熱く議論をしながら仕事をしたいという気持ちも多くある。

一般企業人からフリーランスまで、私たちの働き方の未来はどうなっていくのであろう?

コペンハーゲンで「働き方」議論


8月末、デンマークとスウェーデンの共同の学術研究会のØresund instituteと、コワーキングスペースBLOXHUBの共催で、未来の働き方をテーマにしたイベントが行われた。Øresundとは、コペンハーゲンのあるシェラン島の東側とスウェーデンの南部のエリアのことで、国境を越えて社会や経済的にもにもつながりの深い一帯のことである。

登壇者には、このエリアを中心に活動しているデベロッパー、建築家、エコノミスト、コワーキングスペース経営者、IKEA関係者等様々な分野の人が集まり、どのように社会が変わったか、そして未来の働き方に必要なことは何かについて、社会、経済、ウェルビーイングなどの角度から議論された。



デンマークでのステイホームの働き方


「実は私、2月に北イタリアにスキーに行っていました。そこから帰国するとすぐに、デンマークでもコロナが流行りだしました。そこで私は上司と相談して2週間自主隔離することに。自宅のダイニングテーブルでPCを開いて仕事する様子を、同僚たちはおかしがっていましたね。まさかその一週間後にそうなるなんて、誰も想像していなかった」

コペンハーゲンの未来を考える研究機関コペンハーゲン フゥーチャー スタディーのダイレクター、カーステン・ベック氏の話にみんなが吸いこまれていく。

3月のロックダウン以降、多くのデンマーク人が家から働くことを余儀なくされた。様々な変化に対応しなければなり、働き方も変わらざる得なくなった。当然、この働き方がどのようになっていくのかには今も多くの議論がなされている。
次ページ > デンマーク流の未来の働き方

文=蒔田智則

ForbesBrandVoice

人気記事