ライフスタイル

2020.09.22 17:00

変化が前倒しになっただけ。デンマークで考える「未来の働き方」


この働き方の変化おいて、デジタルの力は計り知れない。オンラインでの会議やコミュニケーションによって、ロックダウンによる生産性の低下はある程度に留められたと考えている。

イベントでは、今後はデジタルの力に加え、北欧流のデザイン、ライフワークバランス、イノベーションを融合しながら全体のバランスを取っていくのがデンマーク流の未来の働き方において大事になってくると話されていた。

ロックダウンから約半年。デンマーク人やスウェーデン人がみな、多くのテストアンドエラーを繰り返して模索している最中である。しかし、この日の議論からは、今のところとてもポジティブに考えている様子が垣間見えた。

「集まれる」というオフィスの役割


日本でも同じだと思うが、「オフィスは不要になるのではないか?」という議論も多くある。当然建物にも、働き方と同じようにフレキビリティが求められるのであり、オフィスだったスペースを他の用途にコンバージョンするなどのチャレンジが今後の街づくりにも必要になってくる。

しかしオフィスはけっして不要になるわけではない。コワーキングスペースMindparkの共同経営者のカーステン・デッパート氏によると、オフィスには以下3つの場所として、働く人にとって大事な役割を果たしている。

1. 一人で作業に集中できる場所
2. 打ち合わせなどみんなで集まれる場所
3. 飲食や休憩ができる場所


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この3つの中でもオフィス特有なのは、みんなで集まれる場所としての機能だ。イノベーティブなアイデアは、同じ空間で議論をかわすところで生まれると言われている。オフィスに集うのが難しいのならば、どのようにその機能を補完するのか。今度の課題といえるだろう。

よりサステナブルに


議論の中で印象的だったのは、「二酸化炭素の削減にどれだけ貢献できるか」ということが、働き方を決定づける大事なキーワードになっていたことだ。よりサステナブルな働き方にシフトしていくという方向性が示された。

新型コロナによって私たちの社会は大きく変わってしまったように見える。しかし目指すべき未来は変わっていない。より多様性のある働き方、美しく快適で環境に優しい建物、緑あふれる街……。これらの基本の方向性はぶれていない。ただ、その変化のタイミングが前倒しでやってきただけである。

これだけ短い時間の中で、できることからでも対応できてきているのは、とても素晴らしいことだと思う。ポジティブな気持ちをもって明日も働こう。

連載:コペンハーゲンでいい空気吸おうぜ
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文=蒔田智則

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