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一方、肖さんの来日に対する考えは正反対だ。

肖さんが日本へ来たのは、大学を卒業してから。もともとはエンジニアを目指してコンピュータサイエンスを専攻していたが、海外で働くことに興味をもち、日本企業が中国の大学や大学院から新卒者を採用するAHPR(Asian Human Resoure Project)というプロジェクトに応募。見事合格し、日本行きの切符を手に入れた。



林さんと同じく、当時全く日本語を話せない状態だった肖さんだが、行ったことのない日本に、まずは旅行気分で行ってみようと考えた。もし仕事がうまくいかなかったら、その時は中国に帰ればいいと思っていたという。

しかし、いざ日本企業に入社してみると、みんなが優しく接してくれた。入社した企業では、外国人の新卒採用は初めてで、人事担当者はお父さんやお母さんのように温かかったという。お正月には、社員の実家に招かれて、おせち料理を食べさせてもらったことも。「超親切でした」と、肖さんも温かい日本人に囲まれ、中国に帰ることなく日本の生活をスタートさせた。

DMMの魅力




大学卒業後、新卒で日本企業に入社した林さんは、その後2度の転職を繰り返し、DMMへ入社した。日本企業も外資系企業も経験した林さんだが、DMMはその2つのメリットを併せ持つのが良いところだという。

たとえば、日本企業には基礎を大事にする文化がある。新人研修は丁寧で、電話のかけ方やメールの書き方、話し方に至るまで、一からビジネスマナーを学ぶことができるので、1社目で日本企業に入って良かったと感じているのだそう。

DMMは、そのような基礎を大事にする日本企業の良いところや社内のコミュニケーションが多く、助け合う文化をもちながらも、日本企業には珍しいスピード感ある意思決定と新規事業に次々とトライするチャレンジ精神を併せ持っている。

自身のことを飽き性だという肖さんも、常に新しいことにチャレンジして進化を続けているところが面白そうだという理由でDMMに入社した。社員同士の関係性がフラットなところも、DMMの魅力のひとつだ。「会長でさえ、気軽にいつでも話しかけることができますよ」と言う。服装が自由なのも気に入っているようだ。

ITをベースにしながらも、違う領域のトレンドもキャッチアップする柔軟性。希望する仕事があれば、誰でもチャレンジに手を挙げることができる寛大さ。社員がのびのびと働くことができるDMMを、林さんは「無限な会社」と表した。

肖さんも、仕事でいろんな業界の人と知り合ったり、常に新規ビジネスに携われることを楽しんでいる。

DMMには、外国人と日本人、男性と女性、などというカテゴリーはないようだ。平等にチャンスが掴め、正当に評価される風土が真に醸成されていると感じた。

2人が大賞を受賞できた理由




いくら社内では外国人や女性も働きやすい環境が整っているとはいえ、2人に国境の壁、言語の壁、文化の壁、既成概念の壁があるのは事実だろう。その壁を乗り越え、なぜ林さんと肖さんは大賞を受賞できたのか。

DMMで自信をもって仕事ができている理由について尋ねたところ、肖さんは入社後すぐに担当した仕事の小さな成功体験が大きく影響していると教えてくれた。

インタビュー=谷本有香 文=伊藤みさき

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