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顧客エクスペリエンス管理を手掛ける「Sprinklr」が2016年に資金調達を行った際、事業基盤は盤石だと思われていた。同社の年商は1億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入りを果たしていたからだ。

しかし、創業者のRagy Thomasによると、当時は顧客の離脱率や従業員の離職率が高まり、さらなる成長を目指す上で困難に直面していたという。「会社にとって非常に暗い1年だった」とThomasは当時を振り返る。

もともと、Sprinklrはフェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNS上で企業がメッセージを投稿したり、顧客とコミュニケーションを取ることができるツールを提供していた。その後、同社はより規模が大きなカスタマーエクスペリエンス市場に参入した。

この市場には、IBMやオラクル、セールスフォースなどのテック大手が高いシェアを誇り、クアルトリクスやサーベイモンキーなどの新興企業も参入しており、競争は厳しい。

前回の資金調達から4年が経ち、ニューヨークに本拠を置く同社は9月9日、シリーズGランドでプライベートエクイティファンドのHellman & Friedmanから2億ドル(約212億円)を調達したと発表した。同社の評価額は、27億ドルに達した。

Sprinklrは現在、約1900人を雇用している。顧客数は1000社を超え、JPモルガンやシティバンク、サムスンなど大手企業も同社のサービスを利用している。Sprinklrは、新たに調達した資金で海外展開を加速させる予定だ。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、オンラインで顧客とコミュニケーションをとる企業が増えた結果、Sprinklrの事業は急拡大している。「我々は、新型コロナウイルスの追い風を受けている企業の1つだ」とThomasは話す。

Thomasは、これまでコミュニケーション・マーケティングの分野で長いキャリアを積んでおり、2000年代初頭には、メールマーケティング企業「Bigfoot Interactive」のCTOを務めていた。

編集=上田裕資

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