そんな状況下で、「より日常に即したフィットネス」を提案するジムが誕生した。渋谷区に構える「THE NUDE EBISU & DAIKANYAMA」だ。24時間営業のジムとしては珍しい「パーソナルトレーナー」によるマンツーマンの指導を導入。ユーザーの習慣化にコミットしていくスタンスが特徴となっている。
このジムを運営するのは、NAKD代表取締役の大久保光佑だ。彼はDMMで事業責任者を務めた経験を持つなど、新卒からずっと「インターネット」を主戦場としてきた。そんな男がなぜジムの開業に踏み切ったのか。大久保のキャリアを紐解きながら、「THE NUDE」の戦略を聞いた。
フィットネスをもっと「カジュアル」に
2020年6月、目黒に会員制のフィットネスラウンジ「THE NUDE EBISU & DAIKANYAMA」がオープンした。
コンセプトは「ひとりでも多くの方に、筋トレを好きになってもらう」。24時間営業でパーソナルトレーナーの指導を受けられることに加え、自宅のような温かみのある空間が特徴だ。「フィットネスを習慣化し、カジュアルな生活の一部にしたい」。そんなニーズを捉え、代官山や恵比寿の若手ビジネスマンを中心に支持を集めている。
このラウンジを運営するのは、DMMにてチャット小説アプリ「DMM TELLER」の事業責任者を務めた経験を持つ、大久保光佑だ。
会社員時代にフィットネスにのめり込んだ大久保は2018年に独立後、プライベートパーソナルジムをオープン。口コミのみでの集客にもかかわらず、1年半で1000以上のレッスンを展開するまでに成長した。今回オープンした「THE NUDE」はプライベートではなく、誰でも会員になることができる。
大久保は「THE NUDE」が実現する世界観について「オシャレすぎず、体育会系すぎず、中性的な雰囲気を意識した」と語る。
「このラウンジをオープンする前、国内にあるさまざまなジムを巡り、市場調査を行いました。そのなかで気づいたのは、『ちょうどいい』ジムがあまりないことです。多くのジムは体育会系の雰囲気が強く、あまり気軽に近づけない場所が多い。一部、カジュアルなジムもあるのですが、女性向けに設計された場所が多く、男性でも気軽にいける場所はあまりありません。THE NUDEは誰もがカジュアルに通えるような、清潔感のある空間を意識しました」