ビジネス

2020.09.14

「筋トレ」に魅せられた起業家が仕掛ける、フィットネス業界の変革

NAKD代表取締役の大久保光佑

「コロナ自粛」が続くなか、任天堂がリリースした「リングフィットアドベンチャー」が大幅な売り上げ増を記録した。自宅待機を命じられるなか、体を動かす習慣がいかに大事かを身をもって感じたひとは多いはずだ。

そんな状況下で、「より日常に即したフィットネス」を提案するジムが誕生した。渋谷区に構える「THE NUDE EBISU & DAIKANYAMA」だ。24時間営業のジムとしては珍しい「パーソナルトレーナー」によるマンツーマンの指導を導入。ユーザーの習慣化にコミットしていくスタンスが特徴となっている。

このジムを運営するのは、NAKD代表取締役の大久保光佑だ。彼はDMMで事業責任者を務めた経験を持つなど、新卒からずっと「インターネット」を主戦場としてきた。そんな男がなぜジムの開業に踏み切ったのか。大久保のキャリアを紐解きながら、「THE NUDE」の戦略を聞いた。


フィットネスをもっと「カジュアル」に


2020年6月、目黒に会員制のフィットネスラウンジ「THE NUDE EBISU & DAIKANYAMA」がオープンした。

コンセプトは「ひとりでも多くの方に、筋トレを好きになってもらう」。24時間営業でパーソナルトレーナーの指導を受けられることに加え、自宅のような温かみのある空間が特徴だ。「フィットネスを習慣化し、カジュアルな生活の一部にしたい」。そんなニーズを捉え、代官山や恵比寿の若手ビジネスマンを中心に支持を集めている。



このラウンジを運営するのは、DMMにてチャット小説アプリ「DMM TELLER」の事業責任者を務めた経験を持つ、大久保光佑だ。

会社員時代にフィットネスにのめり込んだ大久保は2018年に独立後、プライベートパーソナルジムをオープン。口コミのみでの集客にもかかわらず、1年半で1000以上のレッスンを展開するまでに成長した。今回オープンした「THE NUDE」はプライベートではなく、誰でも会員になることができる。

大久保は「THE NUDE」が実現する世界観について「オシャレすぎず、体育会系すぎず、中性的な雰囲気を意識した」と語る。

「このラウンジをオープンする前、国内にあるさまざまなジムを巡り、市場調査を行いました。そのなかで気づいたのは、『ちょうどいい』ジムがあまりないことです。多くのジムは体育会系の雰囲気が強く、あまり気軽に近づけない場所が多い。一部、カジュアルなジムもあるのですが、女性向けに設計された場所が多く、男性でも気軽にいける場所はあまりありません。THE NUDEは誰もがカジュアルに通えるような、清潔感のある空間を意識しました」
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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