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2020.09.12 07:30

懐かしの「牛柄PC」が復活、ゲートウェイの新製品が米国で発売

2000年当時のホルスタイン柄の箱(Tim Boyle/Getty Images)

2000年当時のホルスタイン柄の箱(Tim Boyle/Getty Images)

1990年代から2000年頃にかけて世界的人気を誇った“牛柄のPC”が帰ってくる──。1985年にアメリカで設立されたPCメーカー「ゲートウェイ」は、ホルスタイン柄の箱のデザインで注目を集め、低価格ながら高スペックなマシンで世界的支持を集めたが、2000年を境に売上を急落させ、長らく休眠状態にあった。

米国のサウスダコタ州生まれのゲートウェイは、2007年に台湾のエイサーに買収されたが、新たに米国のウォルマートから新製品をリリースすることが決定した。懐かしの牛柄をあしらったラップトップやタブレットが、ウォルマート独占で発売される。

オンライン限定で発売される新製品には、69.99ドルの格安タブレットに加え、299.99ドルの2-in-1ラップトップや、199.99ドルから649.99ドルのメインストリームのラップトップ、さらに最も高額なモデルとしては1199ドルのハイエンドのラップトップが用意されている。

エイサーは2007年にゲートウェイを7億1000万ドル(約750億円)で買収したが、2013年以降はゲートウェイブランドの新モデルをリリースしていなかった。

調査企業IDCのバイスプレジデントのLinn Huangによると、ウォルマートは今回の取り組みを通じ、ゲートウェイブランドの認知度を活かし、新たな顧客をつかもうとしているという。「ゲートウェイがウォルマートの顧客の心をつかむのは間違いない。しかし、PC市場全体に与える影響は限定的だ」と彼は続けた。

「牛柄のデザインで愛されたゲートウェイブランドを、米国最大手の小売店から再び世に送り出せることは非常に喜ばしい」と、エイサーのグローバル部門のJade Zhouは述べている。

ゲートウェイの創業者のマイケル・ハモンドは、兄弟と共に1985年にサウスダコタ州の農場で同社を立ち上げた。米国のサクセスストーリーの一例にあげられる同社は、1990年代初頭に米国最大のPC直販企業となり、1992年の年間売上は10億ドルを超えていた。

しかし、ゲートウェイは2000年のドットコムバブルの崩壊以降は苦戦し、2002年から2005年にかけてプラズマTVの販売にも乗り出したが、成果はあげられなかった。その後、2005年には全店舗を閉鎖していた。

IDCのデータによるとゲートウェイの出荷台数は2001年に420万台だったが、2003年には190万台まで落ち込んでいた。

編集=上田裕資

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