・ドイツ最大の労働組合であるIGメタルは、パンデミック(世界的大流行)により高まる経済的圧力を相殺するため、組合員が週4日労働制を求めて声を上げることを提案しています。
・賛否両論で迎えられた提案でしたが、基本的に反対の声が多い中、ドイツの労働社会相は可能性を前向きに検討したいとしています。
・週の労働時間の短縮というアイデアは既に他の国でも検討されており、新型コロナウイルスがさらなる広がりを後押しする可能性もあります。
週平均労働時間が34.2時間と、既にヨーロッパで最も短いドイツで、さらなる短縮を求める声が高まっています。
ドイツ最大の労働組合であるIGメタルは、自動車産業における失業を食い止めるため、週4日労働制を提案しています。新型コロナウイルスがもたらした困難は、この分野の既存の構造変化による経済的ダメージをさらに悪化させています。
IGメタル委員長、イェルク・ホフマン氏は、南ドイツ新聞に対しこの業界での雇用の維持は可能だと主張し、週4日労働制の導入を各企業に強く求めると語りました。
ホフマン氏は、時間短縮に応じて給料を引き下げるべきではないとし、それが実現できなければ、労働者がこの変化を受け入れられることはできないだろうと言います。
金属加工や電気分野の労働者の代表であり、強い影響力を持つIGメタルは、その組合員だけにとどまらない、賃金と労働基準に関する議論の先駆者となってきた前例があります。2018年には、特に介護や育児を抱える労働者が、週労働時間を2年間の間35時間から28時間へ短縮できる権利を勝ち取りました。
週4日労働はコロナショックを悪化させる?賛否両論の声
ドイツにおけるブルーカラー労働者の多くは、電子化に苦戦している自動車産業で働いています。労働時間の短縮は、電子化への取り組みに不可欠な熟練の労働者や専門家の雇用を守ると同時に、退職金の支出を抑えるひとつの方法になりえるとIGメタルは主張しています。