週4日労働制度を検討するドイツで賛否 パンデミック後に求められる働き方は?

週休3日制は実現可能なのか(Photo by Unsplash)


フベルトゥス・ハイル労働社会相は、この考えに反対の立場をとっていません。もし、各企業の賛同が得られ、時給を上げ、従業員が不足しないようにすることが可能ならば、政策を前向きに検討したいと述べています。

ドイツは、何百万という人々に今も恩恵をもたらしている一時帰休スキームを24カ月へ延長することを予定しています。このスキームは、特に製造および小売分野で普及しています。

週労働時間を短縮することへの理解はまだあまり得られていません。加盟企業合わせて労働力の約70%を雇用していることになるドイツ経営者連盟の理事は、タイムズ紙に「給与調整を行い、週4日労働制度を導入することは、 このショックをさらに悪化させるだけです」と語っています。

各国で高まりつつある声


週労働時間の短縮という考え方は、数年間にわたり議論されてきており、注目を浴びている支持者もいます。

昨年、日本マイクロソフト社では給与減なしの従業員の週休3日制を試験的に導入、その期間の売り上げが40%近く伸びたと発表しました。フィンランド首相のサンナ・マリン氏は、稼働日の労働時間を8時間から6時間に短縮することを検討しています。2019年にイギリスの影の財務大臣であったジョン・マクドネル氏は、10年以内に週労働時間を32時間に短縮することを提案しました。そして、ニュージーランド首相のジャシンダ・アーダーン氏も、観光業を後押しし、パンデミック後に国を立て直す方法として、労働時間の短縮を提案しています。

他にも、ワークライフバランスの向上という誰もが想定する可能性に加え、労働時間短縮がもたらす地球へのメリット、生産性向上、メンタルヘルス向上への貢献を主張する声もあります。


(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Charlotte Edmond, Senior Writer, Formative Content

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