同社は米国、カナダ、ヨーロッパのドライバーを対象に車両の購入支援を行い、EVやハイブリッド車を使用するドライバーには、高い料金を支払う予定だ。さらに、米国とヨーロッパのEV充電ネットワーク企業と、充電料金の割引の交渉を進めている。
ウーバーCEOのダラ・コスロシャヒは電話カンファレンスで「新型コロナウイルスの危機からコミュニティが復興していく中で、当社は人々のコミュニティを再構築し、緑地を増やす試みを進めていく」と述べた。
ウーバーの競合のリフトも今年6月に、2030年までに全車両をEV化する計画を発表した。しかし、費用などの詳細は明らかにしていなかった。
ウーバーはEV化の促進だけでなく、地域の公共交通との連携や、スクーターや自転車のシェアなど、マイクロモビリティの選択肢を拡大するための取り組みも進めようとしている。
ウーバーの顧客は今後、アプリ内に新設されるGreenオプションから、EVやハイブリッド車などをリクエスト可能になる。低公害車を選択した利用者には、報酬ポイントが付与される。
低公害車を使用するドライバーに、ウーバーは報奨金を与えることになる。グリーン車両を登録したドライバーには、1回の走行につき50セントが加算される。さらに、バッテリー駆動車を使用する場合は、1回につき1ドルが追加され、合計1.50ドルが加算されることになる。
ウーバーはさらに、GM などの自動車メーカーと組んで、ドライバーのEV車両の購入を支援していく。GMは9月7日、ウーバーのドライバーにシボレーボルトEVの新車をディスカウント価格で販売するとアナウンスした。
「配車サービスのドライバー向けに、EVを割安な価格で提供することで、排気ガスの排出量を削減し、EVの普及を後押しできる」と、GMのエグゼクティブ・ディレクターのSigal Cordeiroは述べた。
世界資源研究所(World Resources Institute)のアンドリュー・スティアーCEOも声明で、「人々の輸送から生まれる排気ガスは、温室効果ガスの主要な要素であり、配車サービスのEV化はこの問題に対処するための有効な取り組みだ」と述べた。スティアーらは、ウーバーの動きを支援しようとしている。
「ウーバーのEV化に向けた取り組みは今後、公共交通機関との連携強化や、マイクロモビリティの推進にも貢献する」と彼は続けた。