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2つめのリスクは、一般の人のあいだで広範囲にウイルスが広まると、必然的に長期療養施設の入居者が感染する危険性も高くなることだ。彼らは、介護者や家族のほか、感染拡大を前提とした方針が実施されている一般コミュニティの住人とも接触を持つだろう。

いくつかの調査研究から、新型コロナウイルス感染症が蔓延している地域の長期療養施設は、その内部でクラスターが発生したり、死者が出たりする可能性が高いことが明らかになっている。集団免疫戦略を採用すれば、米国各地で感染が蔓延するコミュニティが増えるだろう。

3つ目のリスクは、ウイルスがより多くのコミュニティで広くすばやく広まることと、検査の精度が依然として低いことにより、長期療養施設の運営者は、すでに何カ月にもわたって行ってきた措置を自動的に継続し、入居者を隔離し続けることになる点だ。

今後の見通し


こうした隔離措置は、当分終わらないだろう。

広範な集団免疫を獲得するには、人口の40%から60%ほどが感染する必要があることを、研究結果が示している。今のところ、米国の感染者数はおよそ600万人と、人口の2%にも満たない。報告されていない感染者や無症状者を含めれば、その割合はずっと高くなると考えるアナリストもいる。しかし、そうした推測を裏づける信ぴょう性の高い証拠は存在しない。

スウェーデンは、アトラスが提唱しているような集団免疫戦略を試みたものの、うまく行っているとは言えない。スウェーデンの感染者と死者の割合は、世界で最高水準だ。集団免疫を獲得するには、あとは予防接種しか方法がない。しかし、ワクチンがいつ広く入手できるようになるのかはまだ見えていない。

アトラスの方針が採用されるのかについては、判断するのは難しい。同じくトランプ政権で新型コロナウイルス対策を担当する調整官デボラ・バークス(Deborah Birx)は9月はじめ、ホワイトハウスは集団免疫戦略を採用しないことを強調した。「私を含め、政権のだれひとりとして、集団免疫を獲得するために米国人の命を犠牲にするつもりはない」とバークスは記者に対して述べている。

とはいえ、ホワイトハウスによるパンデミック対応は、何カ月も前から支離滅裂だ。一見すると、トランプの思い付きや気まぐれ次第のように思える。しかも、アトラスはトランプが聞きたいことを口にしている。つまり、「ビジネスの停止やマスク着用を義務化しなくとも、広範囲に免疫を獲得できる方法はある」と言っているのだ。

ひとつだけ確かなことがある。ホワイトハウスが実際に集団免疫戦略を採用すれば、最初の犠牲者は再び、体の弱い高齢者たちになるだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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