1. 見てもらいたいターゲットを明確にする
まず「誰に」見てもらいたいかを明確にしておくことが大切だ。
単に「求職者」とするのではなく、新卒採用に向けての就活生なのか、中途採用であればどういった世代なのかなど、きちんと決めておくことでそのターゲットへ効率的に魅力が伝えられる。
もちろん世代だけでなく、職種や「こんな思いを持っている人」など、いろいろな観点からその視聴者像を定義できていると、メッセージがより具体的でリアルなものになる。
2. 伝えたいメッセージを絞る
次に「何を」伝えたいかを決めていく。
会社の魅力や仕事内容の説明も欠かせないが、写真や文字では伝えきれないものに「雰囲気」や「空気感」がある。とはいえ、雰囲気にもいろいろなものがあるので、より具体的にどんな雰囲気なのかを言葉にできると、制作会社のスタッフや社内の制作チームメンバーとも齟齬が起きにくい。
最初はたとえば「イノベーティブ」や「活気がある」など抽象的な表現でも良いので、まずは言語化してみて、それをもとに第三者である制作会社のスタッフと話すと、より具体的な定義付けができる。
言葉の問題かもしれないが、動画を見た人に「どんな読後感を残したいか」と考えても良いだろう。
3. 使い方を決めておく
さらに「どのように」動画を活用していくのかも事前に決めておこう。
たとえば会社説明会の“前座”で流すなど、比較的多人数の場で、短時間で心を掴むような使い方をしたいのか、採用サイトに掲載することで丁寧に会社のことを伝えて応募者数アップにつなげたいのか、などのシーンが想定できる。
もちろん複数のシーンで活用することもよくあるのだが、メインになる活用場面は決めておいた方が良い。また、場合によってはロングバージョンとショートバージョンを用意したり、用途によって内容を変えると、より適切な使い分けができる。
4. 形式や演出のイメージを考える
章の冒頭でも書いたように、撮影や編集をプロに依頼する場合でも、動画のある程度の方向性は社内でも持っておくと良い。
たとえば社員のインタビューや実際の仕事現場を中心に構成したドキュメンタリー調にするのか、それともミッションやビジョンを伝えることにフォーカスしてフィクションでストーリーを構成するのかなどだ。
また採用動画を制作する際には、成功したプロジェクトや楽しい雰囲気をピックアップすることも大事だが、視聴者にリアリティを感じさせないものは逆効果になる。この塩梅は経験や客観的な視点も大切なので、身内の温度感だけでストーリーを細かく決めるよりも、制作会社がアサインした作家など、その道に精通した人材をチームに加えることでクオリティが高められる。