幸せは自分で制御できる? 新たな調査で分かったこと

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幸福のUカーブ


同調査では、幸福を制御する力は年齢によって変化するものの、性別によっては変化がないことが分かった。幸福を制御する力は中年にかけて減少し、さらに年を重ねると再び高まることが分かったのだ。この発見事項は、既に多くの研究が行われ、ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授も唱える「幸福のUカーブ」と一致するものだ。

大まかに説明すると、幸福のUカーブとは幸福度が18歳から減り始め、47歳ほどで不幸のピークに達し、それからまた少しずつ増え始めることを示す。先述の調査の回答者らは30~60歳の時期、自分の幸福をあまり制御できていないと感じていた。幸福を自分で制御できている感覚は、さらに年を重ねると再び増え始める。幸福を制御できていると感じていることが幸福度の高さに通じるため、この調査結果は世界中で見られる幸福のUカーブと一致する。

この不思議な幸福のUカーブが存在する理由としては一般的に、年を取ると私たちの焦点が社会的な競争から社会的つながりへと移行し、人生はより貴重でもろく、はかないものだと感じることが挙げられている。

幸福のコントロールと教育・雇用


調査では、教育と雇用状況が幸福感の制御に影響を与えていることが判明した。学士号や修士号取得者と比べ、高卒者は一般的に幸福を制御するのに苦労する傾向にある。また、フルタイムやパートタイムなどで雇用されている人は、自分が幸福を制御できていると感じる割合が平均的に最も高い。こうしたデータからは、大学を卒業してから仕事を見つけるまでの間に、幸福を制御している感覚が75%から90%に増えたことが示されている。

結論


幸福感は特定の要因に応じて制御することができ、性別は関係ない。おそらく最も大きな要素は、幸福を制御するため自分から行動を取ることができると考えているかどうかだろう。

中年になると幸福度が停滞するが、高い教育を受けて雇用されていれば、こうした要素が幸福感を上げてくれる。高い幸福度を達成できる人は、人生で飛んでくるカーブボールを避け、幸福になる可能性を高める方法をどのように実践するかを時間をかけて学ぶ。幸福を追求する上で、自分が制御できないものではなく制御できるものに焦点を当てることが大きな違いを生むのだ。

翻訳・編集=出田静

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